サラ・ドゥテルテ

サラ・ドゥテルテ＝カルピオ：フィリピン副大統領の軌跡

サラ・ドゥテルテ＝カルピオ氏は、フィリピン共和国第15代副大統領を務める弁護士、政治家です。1978年5月31日、ミンダナオ島ダバオ市で誕生しました。父は前大統領のロドリゴ・ドゥテルテ氏、母は客室乗務員でした。中国系とユダヤ系の血を引くサラ氏は、幼少期は小児科医を志望していました。

ダバオのサン・ペドロ大学で学び、その後サン・セバスティアン大学で法学を修め、2005年に卒業。2006年には司法試験に合格し、弁護士資格を取得しました。2007年、ダバオ市長であった父の下、副市長に就任。2010年にはダバオ市長選挙に勝利し、女性初のダバオ市長となりました。2013年の市長選では、下院議員への立候補を父から勧められましたがこれを辞退し、政界を一時離れました。

2016年にはダバオ市長に返り咲き、弟のセバスチャン・ドゥテルテ氏を副市長に任命。同年6月、共に就任宣誓を行いました。2022年のフィリピン大統領選挙では、当初大統領選への出馬が期待されていましたが、副大統領選への立候補を発表。フェルディナンド・マルコスJr.氏（ボンボン・マルコス氏）との連携を表明し、副大統領に当選しました。2022年9月には、安倍晋三元首相の国葬にフィリピン代表として参列しました。

副大統領としての政策と活動

サラ副大統領は、父とは対照的に穏健派で開明的な政治家として知られています。副大統領就任後、各市に副大統領官邸のサテライトオフィスを設立するなど、積極的な活動を展開しました。また、運輸省と協力し、「リブレン・サカイ・プログラム」という無料乗車プログラムを開始。ピーク時間帯の交通渋滞緩和を目指し、マニラ首都圏とダバオにバスを運行しています。

教育改革にも力を入れており、教師の負担軽減のため、2023年3月には授業時間中のボランティア活動や課外活動への参加を禁止する省令に署名しました。さらに、父とは異なり反共主義的な立場を明確にしています。2023年5月には、国家タスクフォース（NTF）-反共主義・反テロリズム運動（ELCAC）の共同副議長に任命され、共産主義反政府勢力に対し警告を発するなど、強い姿勢を示しました。

私生活

サン・ペドロ大学在学中に知り合ったマナセ・カルピオ氏と2007年に結婚。2人の息子と1人の養女がいます。

まとめ

サラ・ドゥテルテ＝カルピオ副大統領は、父とは異なる穏健な政治姿勢と、教育改革や交通渋滞対策など、具体的な政策を実行する能力、そして明確な反共主義的立場を持つ政治家です。彼女の今後の活動が、フィリピン政治にどのような影響を与えるのか、注目が集まっています。 フィリピンにおける女性リーダーとしての役割、そして父との政治的対比なども重要な研究テーマと言えるでしょう。今後の動向が注目されます。

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