サロメア・オドニツヴナ

サロメア・オドニツヴナ：グウォグフ公妃の生涯

サロメア・オドニツヴナ（Salomea Odonicówna, 1236年頃 - 1267年?4月）は、グウォグフ公コンラト1世の最初の妃として歴史に名を残しています。彼女は、ヴィエルコポルスカ公ヴワディスワフ・オドニツを父に、グダニスク公ムシチュイ1世の娘ヤドヴィガを母に持ち、ポーランドの貴族社会で育ちました。

結婚と同盟

1249年、コンラト1世は兄ボレスワフ2世から聖職者になることを強要されそうになったため、ヴィエルコポルスカへ逃れました。彼はボレスワフ2世に対抗するため、プシェミスウ1世と同盟を結び、支援を得ることに成功します。この同盟をより強固にするため、コンラト1世はプシェミスウ1世の妹であるサロメアと結婚しました。ポズナンで行われた結婚式は、グニェズノ大司教ペウカとポズナン司教ボグファウ2世によって祝福されました。

グウォグフ公爵夫人として

サロメアがグウォグフ公爵夫人としてどのような活動をしていたのかは、残念ながら詳しい記録が残っていません。しかし、彼女は実家であるヴィエルコポルスカの兄弟たちと良好な関係を維持していたと考えられています。また、ノヴォグロジェツの聖マリア・マグダレナ修道院やグウォグフのドミニコ会修道院を熱心に支援していたことからも、彼女の信仰心の厚さがうかがえます。

死と遺産

サロメアの没年は1265年から1267年の間と推測されていますが、夫コンラト1世よりも先に亡くなったことは確実です。彼女の遺体は、グウォグフのドミニコ会修道院に埋葬されました。ピョトル・ズ・ブィチヌィによるポーランド語の年代記には、公爵夫人が息を引き取る際、神々しい光輪に包まれていたという記述があります。しかし、この奇跡が彼女の列福につながることはありませんでした。

グウォグフの聖母のコレギアタ（教会）には、サロメアのゴシック様式の彫像が作られました。この彫像は現在、ポズナン国立美術館に所蔵されています。彼女の美しさと信仰心を今に伝える貴重な遺産と言えるでしょう。

子女

サロメアは夫コンラト1世との間に、以下の6人の子女をもうけました。

アンナ（1250年/1252年 - 1272年） - 1260年、上バイエルン公兼ライン宮中伯ルートヴィヒ2世と結婚
エウフェミア（1254年1月12日 - 1275年以前） - 1266年、ゲルツ伯アルブレヒト1世と結婚
ヘンリク3世（1251年/1260年 - 1309年12月9日）
コンラト2世（1252年/1265年 - 1304年10月11日）
プシェムコ（1255年/1265年 - 1289年2月26日）
ヤドヴィガ（1265年? - 1318年6月9日） - 1283年よりヴロツワフの聖クララ女子修道院長

サロメア・オドニツヴナは、歴史の表舞台で華々しい活躍をした人物ではありません。しかし、彼女はグウォグフ公妃として、信仰を重んじ、家族を大切にしながら生きた女性でした。彼女の生涯は、中世ポーランドの貴族社会における女性の役割を考える上で、重要な手がかりを与えてくれます。

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