サンアンドレス島

サン・アンドレス島の概要

サン・アンドレス島（Isla de San Andrés）は、カリブ海に位置するコロンビア領の島であり、その美しい自然と独特の歴史から、多くの旅行者を惹きつけています。コロンビア本土からは北西に位置し、ニカラグアのコーン諸島のすぐ近くにあります。この島は、すぐ北に位置するプロビデンシア島と共に、コロンビアのサン・アンドレス・イ・プロビデンシア県を構成しています。島の南方にはクルタウン諸島やアルバカーキ諸島が点在しています。

島の地形は、小さな山地があるものの、大部分はサンゴ礁が隆起してできた平地です。最高地点は約100m、面積は約26平方キロメートルと、比較的コンパクトな島です。人口は約5万人で、アフリカ系住民が多く、英語とスペイン語が話されています。主要な産業は観光業で、美しいビーチや海洋生物が観光客を魅了しています。2000年には、「海の花生物圏保護区」の一部として、ユネスコの生物圏保護区に指定されました。

歴史

サン・アンドレス島は、1629年にイギリスの清教徒によって発見されました。その後、17世紀後半にはスペインによって占領され、その後約200年の間、イギリス、フランス、オランダ、スペインといった列強が領有権を巡って争奪戦を繰り広げました。この間、イギリスの海賊ヘンリー・モーガンが、この島を隠れ家として利用していた時期もありました。最終的にはイギリスの支配下に置かれましたが、1793年にスペインとの条約によって支配が終わりました。しかし、その後もイギリスとの貿易は継続されました。1806年には、黒人奴隷が島に送られ、現在島の住民の多くはその子孫です。

領有権問題

歴史的に、ニカラグアはプロビデンシア島と共にサン・アンドレス島の統治権を主張していましたが、1991年にコロンビアの統治権が認められました。しかし、国際司法裁判所（ICJ）は2012年11月19日に、サン・アンドレス島を含む7つの島がコロンビア領であることを確認しつつも、周辺海域の管轄についてはニカラグアの主張を認める判決を下しました。これに対し、当時のコロンビア大統領サントスはこの判決を不服とし、ICJの管轄権受け入れを義務付けたボゴタ条約からの脱退を示唆しました。

交通

サン・アンドレス島には、グスタボ・ロハス・ピニージャ国際空港があり、国内外からのアクセスが可能です。この空港は、島の観光業を支える重要なインフラとなっています。

まとめ

サン・アンドレス島は、その美しい自然、多様な文化、そして複雑な歴史が織りなす魅力的な島です。カリブ海の楽園として、また歴史と文化が交錯する場所として、訪れる人々に忘れられない印象を与えます。ユネスコの生物圏保護区に指定されていることからも、その自然環境の重要性が伺えます。

参考文献

• - サン・アンドレス島の公式HP（外部リンク参照）

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