サンエイサンキュー

サンエイサンキューについて

サンエイサンキュー（Sanei Thank You）は1989年4月7日に誕生した日本の競走馬で、1994年に死去しました。この馬は日本の競馬界で名を馳せ、特に1992年のクイーンカップ、札幌記念、サファイアステークスでの勝利が特筆されます。彼女はまた、1991年の阪神3歳牝馬ステークス、1992年の優駿牝馬で2着の成績を収めるなど、その素質が評価されました。馬名は、冠名と父名の一部を組み合わせたもので、競走馬としての人生は波乱万丈でした。

競走馬時代

サンエイサンキューは1991年にデビューし、初戦は6頭立てで2着。翌週に初勝利を収め、その後も活動を続けますが、3連闘に挑んだ札幌3歳ステークスでは13着と振るわず、その後の成長を期待される形で競走を重ねました。1992年は特に活躍の年で、クイーンカップを勝利し、さらに古馬相手の札幌記念でも勝ちを収めました。

有馬記念へ向かう途中で、サンエイサンキューは右トウ骨を骨折し、競走中止を余儀なくされると言う不運に見舞われました。この出来事は彼女の競走生活を一変させることとなります。

闘病生活

サンエイサンキューの骨折は非常に深刻で、通常なら安楽死処分が選択されるほどの状況でしたが、彼女は手術を受けることになりました。手術は行われ、彼女は美浦の診療所で5ヶ月入院。その後、故郷の三栄育成牧場に帰ることになるも、その姿は衰弱しきったものでした。

住吉長一氏は、サンエイサンキューの帰郷を心待ちにし、彼女の世話をしながら共に時間を過ごしました。住吉氏は夜明け前に起きて、サンエイサンキューの好きな青草を整える毎日。馬は段々と回復し、再び四本の脚で立つ姿を見せました。

回復とその後

骨折から2年後、越湖ファームに移ったサンエイサンキューは、繁殖への希望を語られつつも、まずはリラックスと体力回復が目標とされました。秋には術後の調整手術が必要となり、これを乗り越えるためのさらなる努力が求められました。手術は無事に成功し、彼女は希望を持って新たな生活をスタートさせました。

しかし、手術後5日目に不調を訴えることとなり、1994年10月21日、サンエイサンキューは心不全で息を引き取りました。これまで信じてきた人々にとって、彼女の突然の死は大きな衝撃となりました。

エピソード

サンエイサンキューはその実績だけでなく、過酷とも言えるローテーションで知られています。馬主の岩崎氏の資金難や、ライバルに対する対抗心から相次ぐ出走が背景にあったとされています。また、主戦騎手の田原成貴が提示した体調に関する発言を巡り、メディアとの間にトラブルが発生し、サンエイサンキュー事件へと発展したことも記憶されています。

彼女の存在は多くの人々に感動を与え、今なお語り継がれる名馬としてその名を残しています。サンエイサンキューは単なる競走馬ではなく、多くの人の想いを背負った特別な存在でした。

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