サンキタ広場

サンキタ広場：神戸三宮の憩いの空間

神戸市中央区加納町、阪急神戸三宮駅東口に位置するサンキタ広場は、市民に親しまれる憩いの空間です。かつては「パイ山」や「でこぼこ広場」という愛称で知られ、特徴的な地形と待ち合わせ場所として親しまれてきました。この愛称は、広場内に設置されていた3つの石造りの円形マウンドが由来となっています。

歴史と変遷

サンキタ広場は1985年、神戸市営地下鉄三宮駅の建設と同時に整備されました。当初は約1000平方メートルの広さでしたが、道路の一部という位置づけだったため、屋台や放置自転車対策として、3つの小さなマウンドが設けられました。

その後、2006年には彫刻家新谷琇紀氏による作品「AMORE」が設置され、一層魅力的な空間となりました。2007年には市民団体による公募で「さんきたアモーレ広場」という愛称が付けられましたが、広く浸透するには至りませんでした。

2016年より隣接する神戸阪急ビル東館の建て替え工事に伴い、広場は一時閉鎖されました。そして2021年10月、リニューアルオープンを果たしました。

リニューアルとバリアフリー化

リニューアルされたサンキタ広場は、約200平方メートルに拡張され、バリアフリー化が実現しました。西側のサンキタ通りも歩行者優先道路に変更され、広場全体がより快適で安全な空間となりました。

建築家津川恵理氏の設計による、テーブルや椅子として利用可能な楕円形の円盤が複数設置され、デザイン性も向上しました。アーティストのライブなど、イベント利用も可能となり、多様な用途に対応できる空間へと生まれ変わっています。

治安と街づくり

かつてサンキタ広場周辺は、青少年のトラブルや違法行為、美観を損なう行為が問題となっていました。そこで、2003年から行政主導の「三宮クリーン作戦」が展開され、パトロールや検挙などが強化され、状況の改善に努められました。「さんきたアモーレ広場」という名称への変更も、広場を健全な利用促進へと導く一環として推進されました。路上ライブも禁止となりました。

文化と音楽

サンキタ広場は、音楽にも深く関わっています。シンガーソングライターのナオト・インティライミの楽曲「待ち合わせ」には、「パイ山」という名称でこの広場が登場しており、その歌詞は多くのファンに親しまれています。

まとめ

サンキタ広場は、歴史と変遷を経て、現在ではバリアフリー設計を取り入れた、安全で快適な多目的空間へと進化を遂げました。待ち合わせ場所として、イベント会場として、そして憩いの場として、神戸三宮の街に貢献する重要な場所となっています。今後も、多くの人々に愛される広場であり続けるでしょう。

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