サンタ・フェ (グラナダ県)

サンタ・フェ

サンタ・フェ（Santa Fe）は、スペイン南部のアンダルシア州グラナダ県に位置する基礎自治体（ムニシピオ）です。古都グラナダのすぐ西に広がるグラナダ都市圏を構成する主要な町の一つとして数えられています。

歴史

サンタ・フェの町の起源は、カトリック両王（アラゴン王フェルナンド2世とカスティーリャ女王イサベル1世）が、イベリア半島最後のイスラム勢力であったナスル朝グラナダ王国に対する最終的な軍事作戦を遂行するための前線基地として建設を計画したことに遡ります。この地の歴史は、しばしばスペイン近代国家の形成期と密接に結びつけて語られます。

1483年、カトリック両王は、グラナダ包囲のための指揮を執るべく、この地に設けられた仮の陣営に入りました。そして、グラナダ戦争の終結が目前に迫った1491年、両王はサンタ・フェに恒久的な都市を建設することを決定します。当初の簡易な造りであった基地は、石とレンガを用いた堅固な構造へと改められました。この堅牢な都市をグラナダの目前に築くことで、物理的な包囲に加え、ナスル朝の首都グラナダとその象徴であるアルハンブラ宮殿に対し、カトリック勢力による圧倒的な意志と力が示されました。

当時の年代記は、この大規模な建設がわずか80日間という驚異的な短期間で完了したことを伝えています。これは、建設に携わった職人たちの高い技術と誇りの表れとされています。完成したサンタ・フェは、強固な城壁と監視塔で囲まれ、東西南北にそれぞれ主要な門を持つ、計画的で防御性の高い都市構造を持っていました。

サンタ・フェは、スペイン史において極めて重要な出来事の舞台となりました。

最も特筆すべきは、1492年1月2日にサンタ・フェの王宮（カサ・レアル）で起こった出来事です。この場所で、最後のナスル朝グラナダ王ムハンマド12世（ボアブディル）がカトリック両王に対してグラナダ王国の降伏文書に署名しました。これにより、およそ8世紀にわたるイベリア半島のイスラム支配が終焉を迎え、レコンキスタが完了しました。この降伏は、王国の領土明け渡しと住民の将来に関する重要な取り決めを含んでいました。

さらに同じ1492年、サンタ・フェは、後に世界史を大きく変えることになる決定の場ともなりました。ここでカトリック両王は、探検家クリストファー・コロンブス（スペイン名：クリストーバル・コロン）による、大西洋を西回りして「インド」を目指す航路開拓計画に対し、資金援助を行うことを同意しました。この合意は「サンタ・フェ契約」として知られ、その後の大航海時代と、ヨーロッパとアメリカ大陸の歴史的遭遇へと繋がる第一歩となりました。

このように、サンタ・フェは単なる軍事拠点としてだけでなく、レコンキスタの完了と新大陸発見という、スペインのみならず世界の歴史に決定的な影響を与えた二つの出来事が同時に起こった、極めて象徴的な場所なのです。

姉妹都市

サンタ・フェは、その歴史的なつながりや国際交流の促進のため、国内外の多くの都市と姉妹都市提携を結んでいます。特に「聖なる信仰」を意味する同じ名前を持つ都市との提携が多く見られます。以下は、サンタ・フェが姉妹都市関係にある都市の一部です。

アンバート（エクアドル）
バイヨーナ（スペイン）
ブリビエスカ（スペイン）
グアナフアト（メキシコ）
マグダレーナ・デル・マル（ペルー）
オコタル（ニカラグア）
パロス・デ・ラ・フロンテーラ（スペイン）
サン・ミゲル・デ・アジェンデ（メキシコ）
サンタ・クルス・デ・グアナカステ（コスタリカ）
サンタ・フェ（アルゼンチン）
サンタ・フェ（キューバ）
サンタフェ（ニューメキシコ州、アメリカ合衆国）
ボゴタ（コロンビア）
サンタ・フェ・デ・ソルテ（ベネズエラ）
ケツァルテナンゴ（グアテマラ）
バルパライソ（チリ）
* ヴィール（カルヴァドス県、フランス）

これらの提携を通じて、サンタ・フェは文化交流や友好関係を深め、特に大西洋を挟んだアメリカ大陸の多くの都市との間に、歴史に根差した絆を築いています。

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