サンビスタ (シャープ)

シャープの住宅用太陽光発電システム「サンビスタ」

「サンビスタ」は、シャープが1994年から展開している住宅用太陽光発電システムの名称です。太陽光発電を利用した自家発電装置として、家庭での電力自給自足と余剰電力の売電を可能にします。住宅の屋根に設置された太陽電池モジュールが太陽光を電気に変換し、パワーコンディショナを通じて家庭内で利用できる交流電力に変換されます。余剰電力は電力会社に売電でき、夜間や曇天時には電力会社から電気を購入します。

システムの概要

太陽電池モジュール

発電性能や形状が異なる様々なタイプの太陽電池モジュールが用意されており、設置場所や発電量に応じた選択が可能です。各モジュールの仕様と価格は公開されています。

パワーコンディショナ

太陽電池モジュールで発電された直流電力を家庭で利用できる交流電力に変換する装置です。変換効率だけでなく、設置スペースや発電量を考慮して最適な機種を選定できます。通信機能を搭載した機種では、発電量や運転状況をモニタリングできるソーラーモニタリングサービスが利用可能です。さらに、エコマーク認定を受けており、環境負荷低減にも貢献しています。

設置

太陽光が十分に当たる場所であれば、新築だけでなくリフォームでも設置が可能です。オール電化住宅と組み合わせることで、光熱費を大幅に削減できますが、地域や使用条件によって効果は異なります。発電量シミュレーションサービスも提供されており、事前に設置効果を確認できます。

導入の流れ

1. 相談: サンビスタの導入を検討している場合は、まず販売店に相談します。販売店を通じて、設置場所や発電量に応じた最適なシステムプランを提案してもらえます。
2. 現地調査: 設置場所の状況を確認するために、現地調査が行われます。太陽光の当たり具合、屋根の形状、配線経路などを調査し、最適な設置方法が検討されます。
3. 見積もり: 現地調査の結果をもとに、設置費用の見積もりが提示されます。予算に合わせて、システム構成の調整も可能です。
4. 注文: 見積もり内容に合意したら、注文手続きを行います。
5. 電力会社との連携: 設置工事に先立ち、電力会社との事前協議が行われます。系統連系に関する手続きを業者に依頼します。
6. 設置工事: 太陽電池モジュール、パワーコンディショナ、配線などの設置工事を行います。
7. 受給契約: 設置工事完了後、電力会社との間で電力受給契約を結びます。契約内容は電力会社によって異なります。
8. 引き渡し: システムの動作確認を行い、引き渡しとなります。システムには10年間の保証が付帯しています。

資金助成

サンビスタは、「ソーラー住宅システム」の認定商品であり、以下の資金助成制度が利用可能です。

住宅金融公庫の割増融資: 3.00kW以上のシステムを設置した場合、200万円の割増融資が受けられます。
シャープの低金利ローン: シャープ独自の15年低金利ローン「サンビスタローン」が利用可能です。
電力会社の購入制度: 各電力会社による余剰電力の買い取り制度を利用できます。

消費者問題

太陽光発電システムは、高額な商品であるため、悪質な訪問販売業者によるトラブルが多発しています。特に、以下のような問題が報告されています。

高額販売: 環境問題や光熱費削減を口実に、不当に高額な価格でシステムを販売する。
不十分な説明: システムの性能やリスク、契約内容について十分に説明しない。
強引な勧誘: 契約を迫ったり、クーリングオフを妨害する。
複雑な契約: 系列会社を利用するなどして、契約内容を複雑化させ、消費者が理解しにくくする。

トラブルを防ぐために

複数の業者から見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討する。
契約内容を十分に確認し、不明な点は業者に質問する。
訪問販売業者に安易に契約しない。
消費生活センターなどの相談窓口を利用する。
シャープアメニティシステム株式会社や沖縄シャープ電機株式会社など、信頼できる業者に相談する。

まとめ

サンビスタは、太陽光発電を通じて環境に貢献し、光熱費を削減できる優れたシステムです。しかし、悪質な業者によるトラブルも存在するため、設置を検討する際には、十分な情報収集と信頼できる業者選びが不可欠です。システムの導入を検討する際には、メリットとデメリットを十分に理解した上で、慎重に判断する必要があります。