サンプラザ (福島県)

協同組合サンプラザと株式会社マツバヤ：震災からの再起

協同組合サンプラザは、福島県双葉郡浪江町にあった協同組合、および同組合が運営していたショッピングセンターです。1979年のオープン以来、地域住民の生活を支える重要な拠点でしたが、2011年の東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故により、現在も営業を休止しています。本稿では、サンプラザの概要と歴史、運営母体である株式会社マツバヤの震災後の取り組みについて詳しく解説します。

協同組合サンプラザの概要

サンプラザは、1977年10月に協同組合として設立され、1979年6月に浪江町初の大型商業施設として開業しました。株式会社マツバヤがキーテナントとして「サンプラザ浪江店」を開業し、地域住民の生活を支えていました。

しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で、浪江町全域が警戒区域に指定され、サンプラザも営業を休止せざるを得なくなりました。原発から半径8km圏内という立地に加え、従業員や住民の避難により、再開の見通しは立っていません。

2021年3月25日には法人登記が閉鎖されています。

株式会社マツバヤの沿革と震災後の取り組み

株式会社マツバヤは、1927年に浪江町で日用雑貨店「松葉屋」として創業しました。その後、スーパーマーケット「マツバヤ駅前店」を開業し、地域に密着した経営を行ってきました。サンプラザ浪江店のオープン後は、ホームセンターや携帯電話ショップ、フィットネスクラブなど、事業の多角化を進めました。

震災による事業中断と再開への模索

震災により、マツバヤは浪江町内の全店舗を休業せざるを得なくなりました。従業員も避難を余儀なくされ、事業継続は困難を極めました。しかし、松原茂社長は、従業員の再雇用を前提に、事業の再開を決断します。

ネットショップ開設と地域への貢献

2011年5月には郡山市に仮事務所を開設し、同年11月にはネットショップ「サンプラザショップ」を開設しました。また、仮設住宅に避難した顧客向けに、復興支援物資の搬入や生活必需品のカタログ販売も実施しました。

実店舗の再開と新たな展開

2012年3月には、田村市の商業施設「ふねひきパーク」に「サンプラザふねひきパーク店」をオープンし、実店舗での小売事業を再開しました。さらに、相馬市や二本松市にも新店舗をオープンし、避難生活を送る浪江町民の生活を支援するとともに、地域住民のニーズに応えるべく努めています。

現在の株式会社マツバヤ

震災から10年以上が経過し、マツバヤは新たな一歩を踏み出しています。ネットショップや近隣地域への出店を通じて、事業を再開し、地域経済の活性化に貢献しています。また、浪江町からの避難者だけでなく、地域住民の雇用も積極的に行っています。

店舗構造とテナント

震災前の本館は地上1階建てで、建物面積は8,589平方メートル、売場面積は4,571平方メートルでした。駐車場は600台を収容可能でした。

主なテナントは以下の通りです（震災当時）。

サンフーズ浪江店（食料品）
江戸銀（寿司・総菜）
サンメリー（パン）
マクドナルド
プラスゲオ浪江店（レンタルビデオ、中古ゲーム・中古CD販売）
100円ショップmeets.浪江店

関連会社

有限会社サンフーズ
有限会社サンデンキ
有限会社サンギフト
株式会社サンオート
* 有限会社マイプラザ

メディアでの紹介

株式会社マツバヤの震災からの復興の取り組みは、テレビ東京「ガイアの夜明け」や朝日新聞「プロメテウスの罠」などで紹介されています。

終わりに

協同組合サンプラザと株式会社マツバヤは、東日本大震災と原発事故という未曾有の危機に直面しましたが、地域への想いを胸に、力強く再起を果たしました。その歩みは、多くの人々に勇気と希望を与えています。

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