サンボードロモ・ダ・マルケス・ジ・サプカイ

サンボードロモ・ダ・マルケス・ジ・サプカイ

サンボードロモ・ダ・マルケス・ジ・サプカイ（以下、サンボードロモ）は、ブラジル・リオデジャネイロの中心部に位置する、カーニバルパレード専用の巨大な施設です。アポテオセ広場に隣接しており、その広大な敷地は、サンバスクールの情熱的なパレードを繰り広げる舞台として、世界的に知られています。

施設の概要

サンボードロモは、著名な建築家オスカー・ニーマイヤーの設計により、1984年に完成しました。マルケス・ジ・サプカイ通り沿いの700メートルにわたる敷地を、パレード専用の恒久的な施設へと改築したもので、その両側には巨大な観客席が設けられています。屋根のない観覧席は9万人を収容でき、パレードの終点にはアポテオセ広場が広がっています。ここでは、パレード終了後に人々が歓喜の声を上げ、お祭り騒ぎを楽しむことができます。

サンボードロモは、カーニバル期間中だけでなく、年間を通して様々なイベントが開催されます。特に、国際的な音楽コンサートの会場としても人気があり、過去にはフィル・コリンズ、ボブ・ディラン、ローリング・ストーンズ、キッス、アイアン・メイデン、コールドプレイ、エルトン・ジョン、ロクセット、ジェームス・ブラント、ホイットニー・ヒューストン、レディオヘッド、ロビー・ウィリアムズ、ロジャー・ウォーターズ、エリック・クラプトン、ニルヴァーナ、パール・ジャム、ガンズ・アンド・ローゼズ、カルロス・サンタナ、アヴリル・ラヴィーン、ジョナス・ブラザーズ、デミ・ロヴァート、a-haなど、数々の著名なアーティストがこの場所で演奏を行いました。

カーニバルのパレード

カーニバルの公式パレードは、四旬節の直前に4夜連続で行われます。各サンバスクールは、その日の夜に、午後8時から翌朝にかけて順番にパレードを披露します。初日の土曜日の夜にはAccess Group Aのスクールが登場し、日曜日と月曜日には最も注目されるSpecial Groupのスクールが登場します。火曜日の夜には、Group Rio de Janeiro 1のスクールが登場します。Special Groupのパレードは、カーニバルの最大のハイライトであり、全国放送でその様子が中継されます。

各スクールには、90分間の持ち時間が与えられ、数千人規模のダンサー、打楽器隊、そして絢爛豪華なフロートが、サンボードロモを端から端まで練り歩きます。サンバスクールはそれぞれ独自の伝統とスタイルを持ち、その創造性とパフォーマンスを競い合います。審査員による厳正な審査が行われ、競争は非常に熾烈です。灰の水曜日に審査結果が発表され、優勝スクールが決定します。優勝パレードは、その週の土曜日に行われ、Special Groupの上位5校が再びその華麗なパフォーマンスを披露します。

チケットと商業化

2008年当時、Special Groupのパレードを見るためのチケットは、屋根のない観覧席の最安席で10レアル（当時のレートで約600円）から、飲食サービス付きのVIP席で500レアル（当時のレートで約3万円）まで、様々な価格帯で販売されていました。しかし、実際には転売目的の買い占めが横行し、チケット価格は高騰していました。最も良い席では、2500米ドル（約25万円）以上という価格が付いたと言われています。

サンボードロモのチケット価格の高騰により、多くのブラジル人がチケットを入手できなくなってしまい、その反動として、リオデジャネイロでは市内各地で「Bloco carnavalesco」と呼ばれる無料のブロックパーティーが盛んに行われるようになりました。これらのパーティーでは、市民が自由にカーニバルの雰囲気を楽しむことができます。また、スクールの正規メンバーでなくても、衣装を購入することでパレードに参加することも可能です。

オリンピック会場としての利用

サンボードロモは、2016年のリオデジャネイロオリンピックおよびパラリンピックにおいて、アーチェリーとマラソンの競技会場としても利用されました。この場所が、スポーツイベントの舞台としても活用されたことは、サンボードロモの多目的な可能性を示しています。

サンボードロモは、リオデジャネイロのカーニバル文化の中心地であると同時に、音楽、スポーツなど、様々なイベントが開催される場所として、世界中の人々に愛されています。その歴史と文化的な価値は、今後も長く語り継がれることでしょう。

参考資料

• - List of Oscar Niemeyer works

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