サン・クリストヴァン

サン・クリストヴァンの概要

サン・クリストヴァン（São Cristóvão）は、ブラジルのセルジペ州に位置する都市です。2020年の統計によると、人口は約9万1000人とされています。この都市は1580年代、スペインとポルトガルの同君統治時代に始まり、1590年に設立されました。サン・クリストヴァンはブラジルで4番目に古い都市とされており、歴史的な魅力を持つ場所です。特に、2010年にはUNESCOの世界遺産リストに登録されるほど、その歴史地区の価値が認められました。

歴史的背景

サン・クリストヴァンの建設は16世紀末にさかのぼります。この時代、セルジペ州は先住民の強い抵抗に直面しており、他の植民地との交易拠点が必要とされていました。1607年、現在の位置に移転されたこの都市は、パラモパマ川とヴァザ＝バリス川の丘の上に位置し、セルジペ州の中心都市となりました。

サン・クリストヴァンは、サルヴァドールとレシフェを結ぶ重要な交易の中心地となりました。また、この地方のサトウキビプランテーションの中心としても機能していました。山の手には改築された修道院や総督公邸があり、下町には港や住居が整備されています。スペインの整然とした都市計画と異なり、ポルトガルスタイルは土地の特性に基づく柔軟性が特徴です。1870年、ブラジルが独立した後もサン・クリストヴァンは州都として機能しましたが、1855年にはアラカジュに移転しました。1986年には国定史跡に指定され、サン・フランシスコ広場を中心とした歴史的建造物群は、2010年に世界遺産として登録されるに至りました。

世界遺産の特徴

サン・フランシスコ広場は、サン・クリストヴァン市内の丘に位置する長方形の広場で、県庁所在地だった時代の権力を象徴する場所となっています。広場は、フランシスコ会の修道院、慈悲修道女会の施療院、州知事の公邸、私邸などで囲まれています。この広場の建物は、町の歴史を反映しており、観る者に歴史の深さを感じさせます。広場は51メートルの幅と73メートルの長さを持ち、四方の建物がその景観を形成しています。

登録までの経緯

サン・クリストヴァンが1996年に世界遺産の暫定リストに登録された際、フランシスコ会修道院群の一部とされています。その後、2006年にサン・フランシスコ広場を単独で推薦し、2008年の世界遺産委員会で審議されましたが、ICOMOSの評価は否定的でした。ICOMOSは、比較研究の不足や、顕著な普遍的価値を示すことができていないと判断しました。しかし、2010年7月の委員会でこの評価が覆り、登録が認められました。これにより、ブラジルの文化遺産保護にも新たな光が当たることとなりました。

登録基準と価値

ブラジル政府は、サン・フランシスコ広場に、建築と都市計画の重要性を示すために登録基準(2)と(4)が該当するとして推薦しました。一方でICOMOSは両基準の適用が適切でないと懸念を示しましたが、最終的には世界遺産委員会が政府の主張を支持し、登録を認めました。このように、サン・クリストヴァンは、特異な歴史的および文化的価値を持つ街として国際的にも評価されています。

結論

サン・クリストヴァンは、その豊かな歴史と文化遺産を持った魅力的な都市です。歴史的建造物に囲まれたサン・フランシスコ広場は、時代の流れを感じることができる貴重な場所であり多くの人々にとって興味深い観光地となっています。

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