サン・マルコス県

サン・マルコス県（グアテマラ）

サン・マルコス県は、グアテマラの西部に位置する県で、県都はサン・マルコス市です。多様な地形と気候、そして豊かな自然に恵まれた地域です。

歴史

サン・マルコス県は、1866年5月8日の政令によって、ウェウェテナンゴ県、イサバル県、ペテン県とともに設置されました。それ以前は、ケツァルテナンゴ県のサン・マルコス地区として知られていました。

1902年には、隣接するケツァルテナンゴ県のサンタ・マリア山の噴火により、サン・マルコスとサン・ペドロ・サカテペケスの町が壊滅的な被害を受けました。その後、1935年に再建され、サン・マルコス・ラ・ウニオン市となりましたが、この新しい市は長くは続かず、1945年に再び分離し、サン・マルコスが県都となりました。

地理

サン・マルコス県は、北はウェウェテナンゴ県、東はケツァルテナンゴ県、南はレタルレウ県、西はメキシコのチアパス州とそれぞれ接し、太平洋に面しています。総面積は2397平方キロメートルです。

県内をシエラ・マドレ山脈が横断しており、中央アメリカで最も標高の高い2つの火山があります。タフムルコ山（4220m）は中央アメリカの最高峰であり、タカナ山（4092m）もそびえ立っています。その他、標高4022mのサン・アントニオ・イチグアン山も有名です。県南部は太平洋に向かって標高を下げていきます。

メキシコとの国境に位置するタカナ山は、過去に活発な火山活動が観測されており、1855年、1878年、1900年から1903年、1949年から1950年、1986年から1987年に記録されています。

主要な河川としては、メキシコとの国境を流れ、太平洋に注ぐスチアテ川があります。カブス川はタフムルコ山の麓に源を発しています。その他、エル・パハパ川、エル・ロデオ川、イシュラマ川、イシュタル川、メレンドレス川、ナワタン川、オコシト川、ティラパ川などがあります。

標高差が大きいため、県内の気候は変化に富んでいます。北部は冷涼な高原気候ですが、南部は温暖または高温です。

人口

2002年の国勢調査によると、サン・マルコス県の総人口は79万4951人です。言語はスペイン語のほか、マム語やシパカペンセ語が話されています。

経済・農業

サン・マルコス県では、標高差と気候の多様性から、多種多様な農作物が栽培されています。リンゴ、バナナ、大麦、豆、カカオ、コーヒー豆、トウモロコシ、オートムギ、モモ、プランターノ、ジャガイモ、米、サトウキビ、小麦などが生産されています。また、牛、馬、羊などの家畜も飼育されています。綿花の生産は国内で最も盛んです。これらの収穫物は主にケツァルテナンゴ県やトトニカパン県に運ばれ、加工されます。太平洋側の低地では、シダーやパンヤノキなどの木材が豊富で、木製家具の製造が盛んです。

また、サン・マルコス県はメキシコからの密輸入が横行していることでも知られています。密輸品は県内の市場で公然と取引され、グアテマラ各地へと流通しています。

観光

主な観光資源としては、太平洋岸の美しいビーチ、温泉、そしてカステリアの洞窟群などがあります。

下位行政区

サン・マルコス県は、29の市（municipios）に分かれています。

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