サン・ロッケ教会

サン・ロッケ教会

サン・ロッケ教会（Igreja de São Roque）は、ポルトガルのリスボンにある重要なイエズス会の教会で、16世紀から18世紀にかけての華麗な装飾が特徴です。この教会は、聖ロクス（サン・ロッケ）を奉る場所として、長い歴史の中で多くの信者に愛されてきました。

歴史

サン・ロッケ教会の起源は、1506年から1515年にかけて築かれた小さな礼拝堂にまで遡ります。この礼拝堂は、当時流行していたマヌエル様式で建設され、聖ロクスが黒死病から救ってくれると信じられていました。1523年には、ジョアン3世によって教会周辺に黒死病によって亡くなった人々のための墓が作られました。1525年になると、サン・ロッケの信徒会が設立され、教会の重要性は次第に高まっていきました。

1540年には、初めてイエズス会の会員がポルトガルに派遣され、フランシスコ・ザビエルが含まれていました。1553年、イエズス会は礼拝堂を所有することになり、直ちにその拡張を決定します。現在の教会は1565年から1587年にかけてマニエリスム様式で建設され、国内外のイエズス会教会の模範となりました。1584年には、天正遣欧少年使節の宿舎として使用されるなど、歴史の中でさまざまな役割を果たしました。

教会の内装は、1世紀にわたって、マニエリスム、バロック、ロココ様式の芸術で装飾されてきました。特に注目すべきは、サン・ジョアン・バプティスタ礼拝堂です。この礼拝堂は、ジョアン5世による開発と支持を受けて、1740年にイタリアの芸術家によって建設されました。礼拝堂はローマ風のバロック様式で装飾され、1747年から1752年にはリスボンに再構築されました。

イエズス会は1758年にポルトガルから追放され、その際に教会の資産は国家に没収されました。1768年には、教会が古い慈善団体「ミゼリコリダ協会」に与えられ、現在まで続く影響を与えています。

芸術

建築

サン・ロッケ教会の建築は非常にモダンであり、1553年にイエズス会の手によって新しい教会の平面図が設計されました。主礼拝堂には一つの側廊があり、本堂には8つの横並びの礼拝堂が配置されるユニークな構造です。建物は1565年から1587年にかけて工事が進められ、最初の建築家はバルタザール・アルバレスでしたが、茂木が続いてフィリップ・テルツィがファサードを仕上げました。この教会は、その後のイエズス会の建築に大きな影響を与えました。

内装

内装もまた見事であり、サン・ロッケ教会の内装はマニエリスム、バロック、ロココ様式で装飾されています。1588年頃には、フランシスコ・ヴェネガスの手による透視図法で描かれた平らな木造天井が施され、16世紀後半にはアズレージョのタイルによる美しい装飾も見られます。また、特に有名な作品にはガスパル・ディアスによる『聖ロチュスと天使』があり、教会の持つ芸術的な価値を高めています。

教会の本堂の木造祭壇は1625年から1628年にかけて建設され、著名な聖人たちの像が並んでいます。17世紀から18世紀にかけて、さらにバロック様式の装飾が施され、特にノッサ・セニョーラ・ダ・ピエダーデ礼拝堂とサンティシモ礼拝堂は華麗さで知られています。

すべての要素は、この教会を魅力的な観光地にしています。サン・ロッケ教会は、信仰と芸術の融合が示された、リスボンの重要な文化遺産であることは間違いありません。

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