サーカ (バンド)

サーカ (Circa) - プログレッシブ・ロック・スーパーグループの軌跡

サーカ（Circa、様式化された表記は「CIRCA:」）は、プログレッシブ・ロック界の重鎮、イエス (Yes) にゆかりのあるメンバーによって結成されたスーパーグループです。アラン・ホワイト（ドラム）、トニー・ケイ（キーボード）、ビリー・シャーウッド（ボーカル、ギター）、ジミー・ホーン（ギター）という、イエスの歴史を彩る名手たちが集まり、2007年にその活動を開始しました。

結成の背景と初期の活動

サーカの結成には、ビリー・シャーウッドとジミー・ホーンの長年の友情が深く関わっています。二人は幼少期からの友人で、1981年には「ロジック」というバンドを共に結成していました。その後、ビリー・シャーウッドはイエスのメンバーと出会い、楽曲制作に参加するようになります。一方、ホーンはイエスの派生バンドであるアンダーソン・ブルーフォード・ウェイクマン・ハウのセッションに参加するなど、それぞれイエスとの関わりを深めていきました。

1991年に発表されたイエスのアルバム『結晶』では、ビリー・シャーウッド、ジミー・ホーン、マイケル・シャーウッドが楽曲制作に貢献し、その才能を発揮しました。その後、クリス・スクワイアを中心に結成されたクリス・スクワイア・エクスペリメントに、ホワイトとホーンが参加するなど、イエスのメンバー間の交流が深まります。

2000年代に入ると、ビリー・シャーウッドはピンク・フロイドのトリビュート・アルバムを制作し、イエスのメンバーをゲストに迎えるなど、積極的に音楽活動を展開しました。この活動がきっかけとなり、シャーウッドはケイにイエスの元メンバーと現メンバーによるプロジェクトを提案し、サーカ結成へと繋がっていきました。

デビュー・アルバムとライブ活動

2007年、サーカはデビュー・アルバム『サーカ・ファースト・アルバム』をリリース。このアルバムには、シャーウッドがトレヴァー・ラビンと共作した楽曲も収録されています。同年8月には初のライブを行い、イエスの楽曲をメドレーで演奏するなど、ファンを魅了しました。

2008年にはライブ・アルバム『ライヴ』をリリースし、北米ツアーを敢行。ジェイ・シェレンがホワイトの代役として参加するなど、精力的な活動を展開しました。

メンバーチェンジと新たな展開

2008年、アラン・ホワイトがイエスの活動に専念するため脱退し、ジェイ・シェレンが正式メンバーとして加入。その後、アルバム『ヘッド・クオーター(サーカ・セカンド・アルバム)』をリリースしました。2009年には、元TOTOの歌手、ボビー・キンボールとのイタリア・ツアーを行い、サーカ、イエス、TOTOの楽曲を披露しました。また、キンボールとシャーウッド、ケイを中心に、YOSOという新たなバンドを結成し、活動の幅を広げました。

『アンド・ソー・オン』から現在へ

YOSOは2011年に解散し、ギタリストのジョニー・ブラーンズがホーンと交代する形でサーカに加入。その後、アルバム『アンド・ソー・オン』をリリースしました。2016年には、4枚目のアルバム『ヴァレー・オブ・ザ・ウィンドミル - 風車の谷の物語』を発表し、プログレッシブ・ロックの新たな可能性を追求しました。

2019年には、5枚目のアルバムの制作を開始し、現在も精力的に活動を続けています。

メンバー

ビリー・シャーウッド (ボーカル、ギター)
トニー・ケイ (キーボード)
リック・ティアーニー (ベース)
スコット・コナー (ドラム)

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『サーカ・ファースト・アルバム』 (2007)
『ヘッド・クオーター(サーカ・セカンド・アルバム)』 (2009)
『アンド・ソー・オン』 (2011)
『ヴァレー・オブ・ザ・ウィンドミル - 風車の谷の物語』 (2016)

ライブ・アルバム

『ライヴ』 (2008)
『Live From Here There & Everywhere』 (2013)

サーカは、イエスの遺伝子を受け継ぎながらも、独自の音楽性を追求し続けるプログレッシブ・ロック・スーパーグループです。今後の活動にも目が離せません。

もう一度検索