サーカス (ゲーム)

サーカス（Circus）

1977年にエキシディ（Exidy）社から発表されたアーケードゲーム『サーカス』は、先に登場した「ブロックくずし」の要素を取り入れた革新性のあるゲームです。ゲームはパドルを操作し、画面上に流れてくる風船を割るという内容で、当時としては珍しいBGMを搭載していたため、プレイヤーにとってより楽しめるものとなっていました。

ゲームの仕組み

プレイヤーはまず所定のコインを投入し、1人または2人のプレイモードを選択します。ゲーム画面上には、青、緑、黄色の風船が三列流れています。これらの風船は、色付きのセロハンで覆われており、画面の上下にはシーソーが設置されています。プレイヤーはこのシーソーを左右に動かし、落ちてくるピエロを受け止めることが目的です。

ピエロはジャンプしながら風船に向かって飛び上がりますが、風船の位置やゲームの進行によっては、必ずしも成功するとは限りません。また、風船は風船の位置に応じて点数が異なり、黄色は20点、緑は50点、青は100点と設定されています。さらに、ピエロが勢いよく飛ぶことで、一度のジャンプで複数の風船を割ることも可能です。

スコアシステムとボーナス

風船を一列全て割ることができた場合、特別なBGMである「Ta-ra-ra Boom-de-ay」が流れ、10倍のボーナスが獲得できます。青の風船を全て割るとさらに別のBGMが鳴り、特典としてBONUS PLAYが始まります。このBONUS PLAY中は、追加のピエロが出現することで、さらなる得点を目指すことができます。

パフォーマンス要素

ゲーム途中でピエロが地面に落下すると、潰れた姿となり、悲しい音楽が流れる演出があります。しかし、条件が満たされていれば、次のピエロを出現させることができるため、プレイヤーは再び挑戦できる機会があります。ゲームオーバーになると、規定以上の得点を取得している場合に限り、再度プレイが可能となります。

影響と模倣ゲーム

『サーカス』は、その革新性から多くの模倣品が登場しました。ウィリアムス社の『クラウンズ』、タイトーの『アクロバットTV』などさまざまなタイトルが作られ、いずれも独自のアレンジが加えられています。また、データイースト社からは『バルーンサーカス』といったアレンジ版も登場しました。

移植と再評価

このゲームは、Atari 2600などの家庭用ゲーム機にも移植され、レトロゲームコーナーでも今なおその姿を見かけることができます。特に日本国内では、多くの流通基板が存在し、影響力のある作品として長く親しまれています。

サウンドと文化的影響

『エースをねらえ!』のアニメ映画版においても、『サーカス』のBGMが使われる場面があり、このゲームの知名度をさらに高めました。また、イエロー・マジック・オーケストラもこのゲームのテーマを採用した音楽を発表しています。

『サーカス』はただのゲームにとどまらず、文化としての位置付けをも持つ作品であり、今なお多くのプレイヤーに愛されています。

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