サーティーン・ボーイ

サーティーン・ボーイ 僕は札束中学生：概要

1985年5月21日から8月13日まで、TBS系列で放送されたテレビドラマ『サーティーン・ボーイ 僕は札束中学生』。全13回にわたるこの作品は、岡本健一演じる中学1年生の佐倉次郎が、偶然見つけた2500万円の通帳をきっかけに逃亡生活を始める物語です。軽妙な展開と、次郎を取り巻く個性豊かな登場人物たちが織りなす人間ドラマが特徴です。

ストーリー：予期せぬ大金と逃亡の旅

ごく普通の生活を送っていた中学1年生の次郎は、ある日駐車場で発見した車の中から、2500万円の預金通帳を見つけてしまいます。預金を引き出し、警察から逃れるため、次郎は日本各地を転々としながら逃亡生活を送ることに。その旅の途中で、様々な人々との出会い、そして数々の事件に巻き込まれていきます。

物語は1983年2月、東京都渋谷区で実際に起きた事件を基に創作されたフィクションです。単純な逃亡劇ではなく、大金を手にすることによって引き起こされる様々な人間関係の変化や、次郎自身の成長、葛藤が丁寧に描かれています。次郎の逃亡劇は、単なる犯罪行為を描くだけでなく、現代社会の矛盾や人間の心の闇を浮き彫りにする、社会派ドラマとしての要素も持ち合わせています。

キャスト：個性豊かな登場人物たち

本作は、主人公次郎を演じる岡本健一のほか、豪華なキャスト陣を迎え、物語に深みを与えています。次郎の兄や弟、両親、クラスメイト、そして次郎が逃亡劇の中で出会う様々な人々など、それぞれの登場人物が独自の個性と魅力を持っており、それぞれの思惑や葛藤が複雑に絡み合いながら物語を展開していきます。

佐倉次郎（岡本健一）: 明るく人気者の中学1年生。同級生の洋子に好意を抱いている。
佐倉肇（西川弘志）: 次郎の兄。優等生タイプの中学3年生。
佐倉孝三（田中弘志）: 次郎の弟。のんびりした性格でいじめられやすい小学5年生。
佐倉時男（財津一郎）: 次郎の父。小さな出版社を経営している。
木原秋子（加賀まりこ）: 次郎の母。カルチャーセンターの講師。
谷山洋子（藤原理恵）: 次郎のクラスメイト。クールな態度だが、次郎に好意を抱いている。
* その他: 若松誠、新井昌和、竹中直人、白川和子、丹波義隆、市川好朗、小鹿番、森山周一郎、穂積隆信など実力派俳優が多数出演。

さらに、各話ごとにゲスト出演する俳優陣も物語に華を添えています。天地真理、長塚京三、かたせ梨乃、北原ちあき、早見優、蟹江敬三、山本紀彦、夏樹陽子、鈴木麻美、長門勇、砂塚英夫、児島美ゆき、橋本功など、当時を代表する人気俳優たちが多数参加し、物語の幅を広げました。

スタッフと音楽：制作陣と主題歌

本作は、TBSとヴァンフィルの共同制作です。企画から演出、脚本、音楽まで、実力派スタッフが結集し、ドラマ全体のクオリティを高めています。主題歌は、当時人気絶頂だった早見優が歌う「STAND UP」。彼女の伸びやかな歌声が、ドラマの世界観と見事にマッチしていました。

備考：意外な設定と放送時期

劇中では「フラッシュ」という写真週刊誌が登場しますが、このドラマの放送開始時期は、実在の写真週刊誌「FLASH」の創刊前でした。この点も、本作が持つ独特な雰囲気の一つと言えるでしょう。地方局での再放送はありましたが、現在では映像ソフト化されておらず、貴重な作品となっています。

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