ザイテック・Z11SN

ザイテック Z11SN：ル・マンを席巻したLMP2マシンの軌跡

ザイテック Z11SNは、2011年から2015年にかけて、世界耐久選手権の最高峰レースであるル・マン24時間レースやル・マンシリーズで活躍した、ザイテック社（後にギブソン・テクノロジーに改称）製のLMP2クラスのマシンです。先行モデルであるザイテック Z07SやGZ09SCをベースに、2011年に導入された新しいLMPレギュレーションに適合するように開発されました。

開発の背景と性能

2011年、ル・マン・プロトタイプのレギュレーション改定により製造コスト削減が求められました。この改定を受けて、ザイテックは日産とのパートナーシップのもと、新型LMP2マシンの開発に着手。日産GT-RのSUPER GT仕様に搭載されている4.5リッターV8自然吸気エンジン、VK45DEを搭載しました。このエンジンは、約450馬力を発揮し、Z11SNの高い戦闘力に貢献しました。

レースでの活躍

Z11SNは、2011年シーズン、グリーヴス・モータースポーツによってル・マン・シリーズとル・マン24時間レースに投入されました。デビューレースとなったカステレ6時間レースではクラス優勝（総合3位）という輝かしい結果を残し、そのポテンシャルの高さを示しました。同年、ル・マン24時間レースでもLMP2クラス優勝を獲得し、シリーズチャンピオンシップタイトルも手にしました。シーズン終了後には、3台の新型シャシーが製造されました。

2012年には、JotaスポーツがELMS（ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ）に参戦。グリーヴス・モータースポーツも2台体制でELMSに参戦し、両チームはル・マン24時間レースにも出場しました。特に、グリーヴス・モータースポーツに参戦した元F1ドライバー、マーティン・ブランドルと息子のアレックス・ブランドルがドライブするマシンは大きな注目を集めました。

2013年も、グリーヴス・モータースポーツとJotaスポーツはZ11SNでELMSに参戦を続けました。さらに、ケーターハムもル・マン24時間レースにZ11SNで初参戦しました。この年は3台のZ11SNがル・マン24時間レースにエントリーし、激しい戦いを繰り広げました。

2014年には、Jotaスポーツがル・マン24時間レースのLMP2クラスで優勝を収め、Z11SNの競争力の高さを改めて証明しました。

ザイテックからギブソンへ

2015年、ザイテック・オートモーティブがコンチネンタルに買収され、残ったザイテック・エンジニアリングはギブソン・テクノロジーに改称。それに伴い、Z11SNはギブソン・015Sへと名称変更されました。Jotaスポーツはル・マン24時間レースでLMP2クラス2位となりました。2016年には、ストラッカ・レーシングがル・マン24時間レースのLMP2クラスで4位に入賞しています。

まとめ

Z11SNは、ル・マン24時間レースという世界最高峰の舞台で、数々の勝利と好成績を収めた名車です。その高い信頼性と性能は、多くのチームから高い評価を得ており、レース史に名を残す一台と言えるでしょう。Z11SNの活躍は、ル・マン・プロトタイプマシンの進化の歴史において重要な位置を占めています。

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