ザウバー・C16

ザウバー・C16 (Sauber C16)

ザウバー・C16は、1997年のF1世界選手権においてザウバーチームが使用したフォーミュラ1カーです。このモデルはチームの開発責任者、レオ・レスのもとで設計されました。C16は1997年の開幕戦から最終戦まで、全てのレースで使用されました。

エンジンと技術的背景

以前のフォード製ワークスエンジン「Zetec-R」の使用権がスチュワートチームに移ったため、ザウバーは新たにフェラーリと契約し、カスタマーエンジンを採用しました。フェラーリが前年に使用した「ティーポ046/1」エンジンを供給され、スポンサーであるペトロナスの名前を冠した「ペトロナスSPE-01」という名称で呼ばれるようになりました。この「SPE」は「ザウバー・ペトロナス・エンジニアリング」の略です。さらに、フェラーリからは技術者の後藤治が派遣され、エンジンのチューニングを担当しました。ザウバーは2006年にBMWがチームを買収するまで、このフェラーリエンジンを搭載し続けることになりました。

1997年シーズンのドライバー

1997年シーズンのザウバーには、チーム2年目のジョニー・ハーバートと、フェラーリのテストドライバーであったラリーニがドライバーとして起用されました。しかし、ラリーニはシーズン中に解雇され、代わりにジャンニ・モルビデリが加入しました。モルビデリもシーズン中に2度骨折する不運に見舞われ、その間はフォーミュラ・ニッポンに参戦していたノルベルト・フォンタナが代走を務めました。実際、ドライバー陣の成績はエースドライバーのハーバートよりも良い結果を残すことはできませんでした。

シーズンの概況

C16はシーズン初期には競争力を示しましたが、シーズンが進むにつれ、資金の豊富なライバルチームに対して開発が遅れ、戦闘力は徐々に低下していきました。特にハンガリーGPでは、ハーバートが3位入賞を果たしたものの、これは本家フェラーリの2台に打ち勝った結果として大きな注目を集めました。このシーズン、ザウバーチームはコンストラクターズチャンピオンシップで7位に終わり、獲得した16ポイントのうち15ポイントはハーバートが獲得したものでした。

まとめ

ザウバー・C16は1997年におけるザウバーチームの挑戦を象徴する車両であり、ドライバー、技術者、チーム全体が一丸となって難しいシーズンを乗り越えました。このモデルの性能と戦績は、ザウバーのF1での歴史の中でも重要な位置を占めています。

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