ザレマ

ザレマ：バレエから名付けられた競走馬の軌跡

2006年11月、京都競馬場の新馬戦でデビューしたザレマ。その馬名は、バレエ「バフチサライの泉」の登場人物から名付けられました。デビューからクラシック路線を目指したものの、クイーンカップの熱発やフラワーカップの除外など、幾多の困難に見舞われました。桜花賞への挑戦は叶いませんでしたが、忘れな草賞を制し、オークスにも挑みました。しかし、結果は10着。続く秋華賞でも15着と、クラシック路線では思うような結果を残せませんでした。

3歳までは2000m前後のレースに出走していましたが、距離が伸びると切れ味が鈍る傾向があったことから、4歳からは1400m～1800mのレースを主戦場としました。古馬となったザレマは、京都牝馬ステークスや福島牝馬ステークスで好走し、牝馬同士のレースでは高い競争力を示しました。準オープンに降級する時期もありましたが、2008年のターコイズステークスで勝利し、オープンクラスへ復帰。

2009年には、念願の重賞初制覇となる京成杯オータムハンデキャップを制しました。続く富士ステークスでも好走し、マイル戦における牡馬との競争でも高い能力を見せつけました。通算33戦中、2着7回、3着5回と安定した成績を残し、ヴィクトリアマイルでも4着と好走するなど、GIレースでも存在感を示しました。しかし、重賞勝利は京成杯オータムハンデキャップの1勝にとどまりました。

「詰めが甘い」と評されることもありましたが、好位から着実にレースを進める安定感は抜群でした。切れ味は必ずしも優れていませんでしたが、その持ち前の安定感でレースを展開し、数々の好成績を残しました。6歳春まで大きな故障もなく走り続け、2010年3月の中山牝馬ステークスを最後に現役を引退しました。

引退後は、北海道千歳市の社台ファームで繁殖牝馬として繋養されています。2010年にはチチカステナンゴと交配し、2011年3月21日には芦毛の牡馬を出産しました。

ザレマの母であるシェンクは、イタリアGII・レジーナエレナ賞（イタリアの1000ギニーに相当）の勝ち馬です。半兄にはマルカシェンク（父：サンデーサイレンス）、半弟にはガリバルディ（父：ディープインパクト）がいます。

華々しい勝利だけでなく、幾多の苦難を乗り越え、安定した成績を残し続けたザレマ。その長く、そして充実した競走生活は、多くの競馬ファンに感動と記憶を与えてくれました。繁殖牝馬としての活躍にも期待がかかります。

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