忘れな草賞

忘れな草賞：桜花賞を目指す3歳牝馬の登竜門

忘れな草賞は、日本中央競馬会（JRA）が阪神競馬場の芝2000メートルで行われるリステッド競走です。3歳牝馬（かつては4歳牝馬）を対象としたレースで、桜花賞を目指す馬にとって重要なステップとして知られています。

レースの歴史と概要

1984年に創設されたこのレースは、当初は桜花賞前日の土曜日に開催されていました。1989年からは桜花賞当日に行われるようになり、桜花賞と同じく、阪神競馬場の改修工事や阪神・淡路大震災の影響で、京都競馬場で代替開催されたこともあります。

忘れな草賞は、桜花賞への出走権を得られなかった馬、桜花賞の距離（1600メートル）が合わないと判断された馬、オークス（優駿牝馬）を目指して賞金を加算したい馬などが出走するケースが多いです。そのため、このレースは『残念桜花賞』と呼ばれることもあります。

しかし、忘れな草賞は桜花賞やオークスのトライアル競走ではないため、1着で高額賞金を獲得してもオークスの優先出走権は得られません。2着以下は賞金が少なく、オークスへの出走が難しい場合も多いです。そのため、より賞金獲得のチャンスが多い東京競馬場のフローラステークスやスイートピーステークスへ出走する馬もいます。

それでも、忘れな草賞を制してオークスを制覇した馬も存在し、その実績から、このレースのレベルの高さが伺えます。チョウカイキャロル（1994年）、エリモエクセル（1998年）、エリンコート（2011年）、ミッキークイーン（2015年）、ラヴズオンリーユー（2019年）の5頭が忘れな草賞とオークスの連勝を果たしています。2019年の賞金は、1着2000万円、2着800万円、3着500万円、4着300万円、5着200万円でした。

レースの歴史的変遷

1984年：阪神競馬場で4歳（現3歳）牝馬限定のオープン特別競走として施行開始。
1991年、1995年：阪神競馬場の改修工事、阪神・淡路大震災の影響で、京都競馬場で代替開催。
2019年：国際競走およびリステッド競走に指定。
2020年：新型コロナウイルス感染症拡大の影響で無観客競馬として開催。

忘れな草賞の意義

忘れな草賞は、桜花賞を目指しながらも、様々な事情で桜花賞への出走を逃した馬、あるいはオークスへのステップとして、実力のある3歳牝馬が集うレースです。トライアル競走ではないものの、好成績を残せばオークスへの出走が現実的になるため、関係者にとって重要なレースとなっています。また、近年は国際競走にも指定され、レースの格も向上しています。

まとめ

忘れな草賞は、3歳牝馬にとって、桜花賞やオークスを目指す上で重要なステップとなるレースです。その歴史と伝統、そして将来性から、今後も競馬ファンから注目されるレースであり続けるでしょう。多くのドラマが生まれたこのレースから、将来のスターホースが誕生するかもしれません。今後の展開にも期待がかかります。

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