ザンベジ州

ザンベジ州の概要

ザンベジ州（英: Zambezi Region）は、ナミビアの北東に位置する州であり、南にボツワナ、北にアンゴラとザンビアと接しています。州都はカティマ・ムリロで、この地域はナミビアにおいて重要な地理的および文化的役割を果たしています。2013年8月8日、これまでの名前であるカプリビ州から改称され、現在の名前となりました。

地理

ザンベジ州は、ナミビアの北東部にあるカプリビ回廊の東側に位置し、約400キロメートルにわたって広がる帯状の地帯です。この地域はザンビア、ボツワナ、南アフリカの国境に近く、川や森林に恵まれた自然環境を持っています。特に、ザンベジ川はこの州の名前の由来となっており、地域の重要な水源でもあります。

歴史

ザンベジ州の歴史は多様で、1890年にはドイツがイギリスとの交渉を経てこの地域を獲得し、ドイツ領南西アフリカに編入されました。第一次世界大戦の結果、1914年に南アフリカ連邦の支配下に置かれることとなり、1970年代には一時的に自治国として扱われました。しかし、自治は1984年には廃止され、再び南アフリカの直接統治下に戻りました。

1990年3月のナミビア独立と共にザンベジ州もナミビアの一部となり、2002年にはロジ人による独立宣言が行われました。この地域には9万人以上の住民が住む一方で、民族間の緊張が生じていることも事実です。特に、少数民族であるロジ人と多数派のオバンボ人の間では衝突が発生しており、1994年にはカプリビ自由戦線が設立されました。

文化と民族

ザンベジ州には、約1.7万人のロジ人が住んでいます。彼らは周辺国にも分散しており、ザンビアやジンバブエ、ボツワナにも居住しています。そのため、この地域は多民族共生の場でもありますが、文化的な違いから摩擦が生じることもあります。カプリビ・アフリカ人国民連合（CANU）は、人口比から見るとロジ人の権利を主張しており、この地域の独自の文化とアイデンティティを守るために戦っています。

2013年の改称後、州名が変更されたことに対して異議を唱える声もあります。カプリビの関連団体は、この改称が地域の歴史やアイデンティティを希薄化すると懸念を示しています。一方で、地元住民の間では古い植民地主義の名称を排除することが重要だとも考えられており、その意見は複雑に交錯しています。

結論

ザンベジ州は、歴史的、文化的、そして地理的に多様性に富んだ地域です。その複雑な過去と現在は、地域のアイデンティティの核となっており、ナミビア全体における重要な側面を成しています。今後もこの地域における民族的バランスや文化の共存が問われていくことでしょう。

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