ザ・ゴキブリ

『ザ・ゴキブリ』は、1973年12月1日に公開された、新岡勲の漫画『ゴキブリ刑事』を原作とするアクション映画です。渡哲也が主人公の鳴神涼を演じ、前作『ゴキブリ刑事』の成功を受けて制作されました。東宝と石原プロモーションが共同で製作し、後に石原プロが『大都会』シリーズを制作するきっかけともなりました。

あらすじ

物語は、ゴキブリ刑事こと鳴神涼が、転任先へ向かう途中に、かつての同僚である山岡を刑務所へ迎えに行く場面から始まります。出所直後に殺し屋に襲撃されたことをきっかけに、鳴神は新たな赴任地で、公害企業と癒着した悪党たちがはびこる街に足を踏み入れます。そこを牛耳るのは、十文字会の黒田、市政審議会会長の大山、公害企業の志村、そして右翼の大物・児島といった面々です。

ある日、公害センターの研究員が持ち出した極秘データがきっかけで、事態は急展開を迎えます。鳴神は、そのデータを手に入れますが、同時に黒田による陰謀によって、山岡が殺人犯に仕立て上げられてしまいます。鳴神は、山岡の無実を証明しようと奔走しますが、山岡は黒田の刺客に命を奪われてしまいます。

さらに、警察内部にも黒幕がいることが判明し、鳴神は孤立無援の状況に陥ります。敵の罠にはまり、車ごと土砂に埋められてしまいますが、間一髪で脱出に成功。怒りに燃える鳴神は、黒幕たちに復讐を開始します。

黒田と情婦を射殺し、さらに志村を爆死させた鳴神は、街を後にします。鳴神の戦いは、一見、勝利で終わったように見えますが、社会の闇は、まだ深く残されたままです。

主な登場人物

鳴神涼：渡哲也
通称「ゴキブリ刑事」と呼ばれる刑事。正義感が強く、悪を許さない。
山岡正志：峰岸隆之介
鳴神の友人である元刑事。無実の罪で命を落とす。
黒田剛：安部徹
十文字会の幹部。山岡に恨みを抱き、陰謀を企てる。
志村：南原宏治
公害企業の社長。利益のためなら手段を選ばない。
石内昭子：梢ひとみ
黒田の情婦。事件に巻き込まれる。
児島：丹波哲郎
右翼の大物。

作品の特徴

『ザ・ゴキブリ』は、1970年代のアクション映画のスタイルを色濃く残しており、ド派手なアクションシーンや、社会の暗部を描いたハードなストーリー展開が魅力です。特にカーアクションは、見どころの一つとなっており、迫力のある映像が楽しめます。また、渡哲也のクールな演技と、悪役たちの凄みが、物語をさらに盛り上げています。

作品の評価

公開当時、『ザ・ゴキブリ』は、その過激な描写とアクションシーンが話題を呼びました。また、社会問題に切り込んだストーリーも評価され、多くの観客を動員しました。

『ザ・ゴキブリ』は、アクション映画ファンだけでなく、社会派ドラマファンにも楽しめる作品です。ぜひ一度、ご覧ください。

スタッフ

監督：鷹森立一
原作：新岡勲
脚本：永原秀一
音楽：鏑木創
製作：東宝、石原プロモーション

キャスト

鳴神涼：渡哲也
橋本：沖雅也
山岡正志：峰岸隆之介
石内昭子：梢ひとみ
宮川信代：本田みちこ
伊東：青木義朗
志村：南原宏治
大山：河津清三郎
吉田：高品格
神田教授：弘松三郎
人事課長：武藤章生
山口：向井淳一郎
中野：伊沢一郎
河井：荒木保夫
香川一郎：加村赳夫
香川光江：毛利幸子
中川：苅谷俊介
池上：中平哲仟
鉄砲安：庄司三郎
チンピラ政：浅野謙次郎
警官：広瀬正一
検視官：鈴木治夫
黒田組組員：伊奈貫太、吉中正一、青木敏夫、森正親、男喧太
東邦化学社員：松岡京子、吉沢恵
みどり：今井厚子
香川賢一：本島一宏
黒田剛：安部徹
児島：丹波哲郎
殺し屋：トビー門口(ノンクレジット)

同時上映

『修羅雪姫』

外部リンク

ザゴキブリ 東宝公式
ザ・ゴキブリ - allcinema
ザ・ゴキブリ - KINENOTE
* ザ・ゴキブリ - IMDb（英語）

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