ザ・サリヴァンズ (駆逐艦)

ザ・サリヴァンズ（USS The Sullivans, DD-537）

ザ・サリヴァンズは、アメリカ海軍に所属するフレッチャー級駆逐艦です。この艦の名前は、1942年11月に発生した第三次ソロモン海戦で、「ジュノー」という巡洋艦が沈没し、サリヴァン兄弟が全員戦死したことに由来しています。サリヴァン兄弟に因む艦としては初めてであり、さらにアメリカ海軍の艦艇名の中でも複数人の名前から命名された最初の艦です。現代ではニューヨーク州バッファローの海事軍事公園において博物館船として保存され、国家の歴史的建造物にも認定されています。

艦歴の概要

ザ・サリヴァンズは、1942年10月10日に「パトナム」という名でカルフォルニアのベスレヘム造船所で起工され、1943年に「ザ・サリヴァンズ」に改名されました。進水式は同年4月4日に、兄弟の母親によって行われました。1943年9月30日に初代艦長の指揮の下で就役し、その後真珠湾に向かいました。

真珠湾での訓練

1943年12月23日、「ザ・サリヴァンズ」は駆逐艦と共に真珠湾へ到達し、その後は様々な任務に従事しました。1944年にはクェゼリンの戦いに参加し、空母の護衛を行いながら数回の空襲にも対応しました。

クェゼリンの戦いとトラック島空襲

「ザ・サリヴァンズ」は1944年1月にクェゼリン環礁での空襲に参加し、その後のトラック島への空襲にも携わるなど、太平洋戦線で活躍しました。また、日本海軍艦艇に多大な損害を与えつつも、自艦も被害を受ける場面がありました。メジュロに戻った後はハワイへ向かい、修理を経てさらなる任務に就きました。

マリアナ諸島と硫黄島での活躍

「ザ・サリヴァンズ」はさらにマリアナ諸島の戦いに参加し、中でもサイパン島へ上陸支援を行いました。6月の間に、日本の航空機に対する防御戦に携わり、さらに硫黄島において艦砲射撃も行いました。この頃の活躍により、艦は多くの戦闘勲章を受けることになります。

戦争の終息後

1945年の終わりに近づくにつれ、ザ・サリヴァンズは様々な歴史的な任務を経て1951年に朝鮮戦争への対応として再就役しました。再び海戦に参加し、朝鮮半島での任務を果たしました。

博物館船としての記録

その後1965年に退役し、1977年からはニューヨーク州の博物館館船として保存されています。現在も多くの人々に歴史の重要性を伝える存在です。2022年には一時的に浸水しましたが、完全な沈没には至らず、艦は保存状態にあります。この艦の歴史には、戦争の悲劇や勇気、そして献身が込められています。最後に、ザ・サリヴァンズはアメリカ海軍の英雄的な一員として、今もなおその名が語り継がれています。

栄典

ザ・サリヴァンズは、第二次世界大戦において9つ、朝鮮戦争では2つの従軍星章を受章し、その功績を讃えられています。

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