ザ・ビートルズ1

ザ・ビートルズ1について

『ザ・ビートルズ1』（原題: 1）は、2000年11月13日に発売されたビートルズのベスト・アルバムです。このアルバムには、1962年から1970年までにリリースされたシングルの中から、イギリス及びアメリカのシングルチャートで第1位を獲得した楽曲が収められています。リリース後は、数多くの国のアルバムチャートで首位を獲得し、全世界での累計売上は3100万枚を突破しました。

背景とリリース

『ザ・ビートルズ1』は、ジョージ・マーティンのプロデュースの元、ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターによって編集された作品です。収録曲の中には、アメリカのビルボードチャートでも非常に人気の高かった「フォー・ユー・ブルー」などがありますが、いくつかの楽曲が収録漏れとなっています。特に、「プリーズ・プリーズ・ミー」と「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」はいずれの国のシングルチャートでも首位を獲得していないため収録されていません。

アルバムパッケージのデザイン

アルバムのカバーアートは、リック・ウォードが手がけたもので、赤を基調としたデザインに黄色の「1」が目を引きます。裏ジャケットには、1967年にリチャード・アヴェドンによって撮影されたメンバーの写真が掲載されています。販売形態はCD、カセットテープの他、イギリスではアナログ盤もリリースされました。CDには楽曲情報や160枚を超えるシングル盤ジャケットを集めた32ページのブックレットが付属しており、多くのファンにとって価値あるコレクションとなっています。

リマスタリングと再リリース

本作は、1999年に発売された『イエロー・サブマリン ～ソングトラック～』の後、デジタルリマスターが施され、2011年には2009年版のリマスター音源を使用した改装版が販売されました。さらに2015年にはジャイルズ・マーティンによる最新のリミックス版が登場し、同時に初のミュージック・ビデオ集も付属した『ザ・ビートルズ 1+』がリリースされました。このデラックス版は、アナログ盤からの新たなステレオ・ミックスが使用され、映像も修復されており、高画質で楽しめる作品となっています。

評価と受容

批評家たちからの評価は非常に高く、スティーヴン・トマス・アールワインは、オールミュージックで5つ星の評価を与え、「これがすべて最高の音楽であることは間違いない」と評価しています。一方で、長年のファンにとっては所有しているレコードの重複が懸念されるとの意見もありました。また、ビルボード誌の編集者は、ビートルズの楽曲が今もなおポップミュージックに与える影響に言及し、その説得力や活気がひと際際立っていると評しました。

『ザ・ビートルズ1』は、リリース後すぐに各国のアルバムチャートを席巻し、特に2000年度のEMIグループの売上では2160万枚を達成し、21世紀におけるベストセラーの1つとして君臨することになります。イギリスでも9週連続して1位を獲得し、いずれの市場においてもその存在感を示しました。日本でも、リリースからわずか数日で初登場2位や1位を記録し、その後もロングセラーを続けています。

まとめ

『ザ・ビートルズ1』は、ビートルズが残した音楽の金字塔であり、彼らの遺産を代表する重要なアルバムとなりました。これにより、多くの新しいファンを惹きつけつつも、長年の愛好者にとっても新たな発見がある作品といえるでしょう。

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