ザ・ビーバーズ
ザ・ビーバーズは、日本の音楽史においてグループ・サウンズ（GS）が隆盛を極めた時代に活動したバンドの一つです。1966年に結成され、およそ3年間の活動期間を経て1969年に幕を下ろしました。
バンドはツインボーカルを特徴とし、以下のメンバーで構成されていました。
早瀬 雅男（はやせ まさお）（1948年3月14日生）：ボーカル担当。「マー坊」の愛称で親しまれ、かつては人気グループ「スリーファンキーズ」にも在籍していました。
成田 賢（なりた けん）（1945年10月22日生 - 2018年11月13日没）：もう一人のボーカル担当。「ワンちゃん」の愛称で知られ、解散後は「エモーション」を経てソロ歌手としても活動しました。
淡村 悠紀夫（あわむら ゆきお）（1941年10月15日生）：ドラムス担当。バンドのリーダー格であり、「ユキオ」と呼ばれました。
荒川 宏（あらかわ ひろし）（1948年6月22日生）：ベース担当。「ヒロシ」の愛称。
石間 秀樹（いしま ひでき）（1944年3月21日生）：ギター担当。「ヒデキ」と呼ばれ、後の「内田裕也とザ・フラワーズ」、「フラワー・トラベリン・バンド」、「トランザム」など、日本のロック史に名を刻むバンドで活躍しました。
平井 正之（ひらい まさゆき）（1947年9月11日生）：ギター担当。「マサユキ」の愛称。
山浦 透（やまうら とおる）（1945年2月11日生）：エレクトリックギター担当。「トオル」の愛称。
バンドの中心人物であるドラマーの淡村悠紀夫は、かつてロカビリーやカントリー&ウエスタンを演奏するバンド「ワゴンスターズ」に在籍していました。ワゴンスターズは短期間ながら小坂一也の伴奏を務め、スリーファンキーズに転じた高橋元太郎も所属していた時期があります。1960年代にはスリーファンキーズのバックバンドとしても活動していましたが、1966年2月にスリーファンキーズとともにワゴンスターズも解散が決定しました。
淡村は新たなバンド結成を目指し、地方公演で知り合ったバンドからメンバーを引き抜きます。大阪で活動していた「ゲイスパーズ」から荒川を、札幌の「ジャローズ」から成田、石間、平井を招集し、さらにスリーファンキーズ解散に伴い早瀬も加えて、1966年2月8日に「ジ・アウトロウズ」として活動を開始しました。その後、グループ・サウンズブームが本格化し、レコードデビューの話が具体化する中で、レーベル側からバンド名の変更を打診されます。これは、当時のGSの主要なファン層である女子や未成年者により親しみやすく、可愛らしいイメージの名称が求められたためで、これを受けてバンド名は「ザ・ビーバーズ」と改められました。
ザ・ビーバーズは芸能事務所「スパイダクション」に所属し、主にジャズ喫茶などを中心に精力的なライブ活動を展開しました。1966年12月にはTBSの音楽番組「ヤング720」に初出演を果たし、以降は準レギュラーとして人気を獲得していきます。
1967年7月20日、キングレコードのセブンシーズレーベルよりシングル「初恋の丘」でレコードデビューを果たしました。この曲は公称10万枚のヒットを記録したとされ（オリコンチャート発足以前のため参考記録）、彼らの代表曲となりました。その後もシングル4枚とアルバム1枚をリリースしましたが、大きな商業的成功には恵まれませんでした。
しかし、彼らは同業ミュージシャンや音楽関係者から高い評価を受ける「玄人好みのバンド」でした。特に、ベテランである淡村らの安定したリズムセクションと、石間秀樹の革新的なギタープレイは注目を集めました。石間のギターは「七色の音色」と称賛され、オリエンタルな響きを取り入れた最先端のサイケデリック・サウンドを追求しました。彼は英米の音楽を研究し、当時国内ではまだ未発達だったエフェクターなどを積極的に導入。ライブステージには、石間の機材や奏法を間近で確認しようと多くのミュージシャンが集まったといわれています。その演奏力、特にギターサウンドは、（ジェフ・ベック在籍時の）ヤードバーズに例えられ、絶賛されることもありました。商業的なヒットは限られたものの、その高い演奏技術と音楽性から、ザ・ビーバーズは実力派グループ・サウンズとして記憶されています。
1969年4月1日、バンドは解散しました。
シングル
初恋の丘／ハロー!コーヒー・ガール!（1967年7月20日）
君なき世界／ホワイ・ベイビー・ホワイ（1967年11月10日） - 「君なき世界」はかまやつひろしが「醐樹弦」名義で作詞・作曲。
君、好きだよ／恋して愛して（1968年4月10日）
愛しのサンタマリア／波うつ心（1968年8月20日）
泣かないで泣かないで／サテンの夜（1968年12月10日） - 「泣かないで泣かないで」は元々ザ・スパイダースのために書かれた曲。「サテンの夜」はムーディー・ブルースのカバー曲。
アルバム
* ビバ！ビーバーズ（1968年）
メンバー構成
バンドはツインボーカルを特徴とし、以下のメンバーで構成されていました。
早瀬 雅男（はやせ まさお）（1948年3月14日生）：ボーカル担当。「マー坊」の愛称で親しまれ、かつては人気グループ「スリーファンキーズ」にも在籍していました。
成田 賢（なりた けん）（1945年10月22日生 - 2018年11月13日没）：もう一人のボーカル担当。「ワンちゃん」の愛称で知られ、解散後は「エモーション」を経てソロ歌手としても活動しました。
淡村 悠紀夫（あわむら ゆきお）（1941年10月15日生）：ドラムス担当。バンドのリーダー格であり、「ユキオ」と呼ばれました。
荒川 宏（あらかわ ひろし）（1948年6月22日生）：ベース担当。「ヒロシ」の愛称。
石間 秀樹（いしま ひでき）（1944年3月21日生）：ギター担当。「ヒデキ」と呼ばれ、後の「内田裕也とザ・フラワーズ」、「フラワー・トラベリン・バンド」、「トランザム」など、日本のロック史に名を刻むバンドで活躍しました。
平井 正之（ひらい まさゆき）（1947年9月11日生）：ギター担当。「マサユキ」の愛称。
山浦 透（やまうら とおる）（1945年2月11日生）：エレクトリックギター担当。「トオル」の愛称。
結成と改名
バンドの中心人物であるドラマーの淡村悠紀夫は、かつてロカビリーやカントリー&ウエスタンを演奏するバンド「ワゴンスターズ」に在籍していました。ワゴンスターズは短期間ながら小坂一也の伴奏を務め、スリーファンキーズに転じた高橋元太郎も所属していた時期があります。1960年代にはスリーファンキーズのバックバンドとしても活動していましたが、1966年2月にスリーファンキーズとともにワゴンスターズも解散が決定しました。
淡村は新たなバンド結成を目指し、地方公演で知り合ったバンドからメンバーを引き抜きます。大阪で活動していた「ゲイスパーズ」から荒川を、札幌の「ジャローズ」から成田、石間、平井を招集し、さらにスリーファンキーズ解散に伴い早瀬も加えて、1966年2月8日に「ジ・アウトロウズ」として活動を開始しました。その後、グループ・サウンズブームが本格化し、レコードデビューの話が具体化する中で、レーベル側からバンド名の変更を打診されます。これは、当時のGSの主要なファン層である女子や未成年者により親しみやすく、可愛らしいイメージの名称が求められたためで、これを受けてバンド名は「ザ・ビーバーズ」と改められました。
活動と評価
ザ・ビーバーズは芸能事務所「スパイダクション」に所属し、主にジャズ喫茶などを中心に精力的なライブ活動を展開しました。1966年12月にはTBSの音楽番組「ヤング720」に初出演を果たし、以降は準レギュラーとして人気を獲得していきます。
1967年7月20日、キングレコードのセブンシーズレーベルよりシングル「初恋の丘」でレコードデビューを果たしました。この曲は公称10万枚のヒットを記録したとされ（オリコンチャート発足以前のため参考記録）、彼らの代表曲となりました。その後もシングル4枚とアルバム1枚をリリースしましたが、大きな商業的成功には恵まれませんでした。
しかし、彼らは同業ミュージシャンや音楽関係者から高い評価を受ける「玄人好みのバンド」でした。特に、ベテランである淡村らの安定したリズムセクションと、石間秀樹の革新的なギタープレイは注目を集めました。石間のギターは「七色の音色」と称賛され、オリエンタルな響きを取り入れた最先端のサイケデリック・サウンドを追求しました。彼は英米の音楽を研究し、当時国内ではまだ未発達だったエフェクターなどを積極的に導入。ライブステージには、石間の機材や奏法を間近で確認しようと多くのミュージシャンが集まったといわれています。その演奏力、特にギターサウンドは、（ジェフ・ベック在籍時の）ヤードバーズに例えられ、絶賛されることもありました。商業的なヒットは限られたものの、その高い演奏技術と音楽性から、ザ・ビーバーズは実力派グループ・サウンズとして記憶されています。
1969年4月1日、バンドは解散しました。
ディスコグラフィー
シングル
初恋の丘／ハロー!コーヒー・ガール!（1967年7月20日）
君なき世界／ホワイ・ベイビー・ホワイ（1967年11月10日） - 「君なき世界」はかまやつひろしが「醐樹弦」名義で作詞・作曲。
君、好きだよ／恋して愛して（1968年4月10日）
愛しのサンタマリア／波うつ心（1968年8月20日）
泣かないで泣かないで／サテンの夜（1968年12月10日） - 「泣かないで泣かないで」は元々ザ・スパイダースのために書かれた曲。「サテンの夜」はムーディー・ブルースのカバー曲。
アルバム
* ビバ！ビーバーズ（1968年）
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。