ザーブル州

ザーブル州はアフガニスタン南部に位置する州で、ダリー語では「زابل」と表記されます。面積は約17,345平方キロメートル、人口は約263,200人です。州都はカラートであり、2016年時点での知事はモハンマド・アシュラフ・ナーセリー氏が務めていました。

歴史

ザーブル州は1963年にカンダハール州から分離独立した歴史を持ちます。この地域はパキスタンとの国境に近く、辺境地帯であるため、中央政府の影響が及びにくい状況にあります。そのため、反政府勢力の活動が活発で、アフガニスタン政府に対する抵抗運動の温床となっています。しかし、他の南部諸州と比較すると、治安状況は比較的安定しているという見方もあります。

2006年までは、カラートにある米軍の地域復興支援チーム（PRT）が唯一の大規模な国際機関として活動していました。その後、国連アフガニスタン支援ミッション（UNAMA）の支所が開設され、国際的な支援体制が強化されました。これは、ザーブル州が国際社会からも注目される地域であることを示しています。

2015年11月には、ターリバーンがハザーラ人の子供を殺害した事件が発生し、首都カーブルで大規模な抗議デモが起きました。これは、ザーブル州の治安問題がアフガニスタン国内の社会情勢にも影響を与えることを示唆しています。この事件は、ザーブル州における不安定な情勢と、その影響が国内に波及する可能性を浮き彫りにしました。

ザーブル州の歴史は、アフガニスタンの政治的、社会的な複雑さを反映しています。辺境に位置し、中央政府の影響が限定的な地域であるため、反政府勢力の活動が活発化しやすい環境にあります。また、国際社会の支援を受けながらも、依然として不安定な状況が続いている地域と言えるでしょう。今後のザーブル州の動向は、アフガニスタンの平和と安定を考える上で重要な要素となるでしょう。

ザーブル州は、その地理的な位置と歴史的な背景から、様々な課題を抱えています。それらの課題に対応するために、国際社会やアフガニスタン政府による継続的な支援が求められています。

もう一度検索