シアレソリ

シアレソリについての詳細

シアレソリ（韓国語：씨알의 소리）とは、韓国で発行された月刊評論誌であり、その名は「民の声」という意味を持つ。この雑誌は、1960年代から1970年代にかけて韓国における民主化運動と深く関わりを持つ宗教家であり、運動の指導者でもある咸錫憲（ハム・ソクホン）によって創刊されました。

創刊の背景

シアレソリは、1970年4月に「健全な常識を育てる」ことを目的として創刊され、特に宗教教典の再評価、文明批評、歴史的な振り返りや反省、さらには当時の時事に関する批評を通じて韓国社会の民主主義を発展させようとしました。このような意図は、当時の韓国において重要な役割を果たしていた民主化運動の潮流とも関連しています。

早期の困難と訴訟

しかし、シアレソリは2号を発行した後すぐに、韓国の文化広報部（現・文化体育観光部）によって登録抹消の処分を受けることとなります。この措置は、当時の政府の言論統制を象徴するものと言えます。しかしながら、咸錫憲はこの処分に対して行政処分取消訴訟を提起し、最終的に韓国の大法院で勝利を収めました。その結果、シアレソリは1971年8月に復刊され、3号を発行することが可能になりました。

政治的な状況とその影響

シアレソリは、政府に対する批判的な内容が特徴であり、1970年代の韓国においては知識人の間で幅広く読まれていました。特に、朴正煕大統領の暗殺後、全斗煥軍事政権が権力を握ると、国家による言論の規制が強化され、シアレソリもその影響を受けることになります。新たな政権による言論統廃合の一環として、シアレソリは再び定期刊行物登録が取り消され、最終的に強制廃刊される事態に至りました。

シアレソリの意義

シアレソリは、その短い歴史の中で、韓国における民主主義の発展に寄与した重要な媒体でした。特に、政治体制に対する批判が盛んな時期に出されたため、その内容は当時の社会に強い影響を与えたと言えます。今なおこの雑誌の存在は、韓国の言論の自由や民主主義を考える上での象徴的な事例として語られることが多いです。

参考文献

本記事の参考として、金容権編著『朝鮮韓国近現代史事典　第2版』を挙げることができます。この資料は、韓国の近現代史を理解するために非常に有用であり、シアレソリの歴史的背景やその意義についても詳しく解説されています。

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