シェアボーン

シェアボーン：歴史と自然が織りなすイングランド南西部の町

イングランド南西部、ドーセット州北西部のブラックモア谷に位置するシェアボーンは、歴史と自然が調和した魅力的なマーケットタウンです。ヨー川沿いに広がる町は、ロンドンとペンザンスを結ぶA30幹線道路沿いにあり、交通の便も良好です。2011年の調査では、約9,500人の人口を有し、その約3割が65歳以上の高齢者です。

歴史：アングロサクソン時代から続く栄光

ドゥームズデイ・ブックによれば、シェアボーンはアングロ・サクソン人が「清流」を意味する言葉から名付けたと言われています。ウェセックス王国の首都として栄え、アルフレッド大王の兄であるエゼルベルト王とエゼルボルド王が、シェアボーン・アビーに埋葬されているという歴史も持っています。

705年には、この地がシェアボーンとウィンチェスターの教区に分割され、聖アルドヘルム初代司教のための壮麗な大修道院が建設されました。その後も歴史は続き、1075年には司教座がオールド・サラムに移転、教会はベネディクト会の僧院となりましたが、15世紀には焼失、その後再建されました。1539年には僧院は聖ジョン・ホージーに買い取られ、慣習的な教会へと変わっていきました。

中世には、ロジャー・オブ・ソールズベリーが要塞を建設しました。この要塞は1645年に破壊されましたが、その遺跡は現在も残っており、イングリッシュ・ヘリテイジが管理しています。1594年には、探検家として名高いウォルター・ローリーがエリザベス様式の邸宅を建設し、現在のシェアボーン城となっています。

教育：伝統と革新が融合する学びの場

シェアボーンには、古くから伝統ある教育機関が存在します。アルフレッド大王が教育を受けた学校を起源とするシェアボーン・スクールは、イギリスを代表する名門独立学校として、数々の著名人を輩出しています。アラン・チューリングやジェレミー・アイアンズ、クリス・マーティンといった著名人もこの学校の卒業生です。

他にも、グリフォン・スクールをはじめ、いくつかの優れた学校があり、シェアボーン・インターナショナルは海外からの留学生を受け入れています。

歴史的建造物：中世から現代へ続く建築の遺産

シェアボーンには、歴史的な建造物が数多く残っています。シェアボーン・アビーを始め、マナー・ハウス、そしてウォルター・ローリーが建てたシェアボーン城など、多くの建物が特徴的な黄土色のハムストーンで造られています。1438年設立のセイント・ジョン・ザ・パプティスト・アンド・ジョン・ジ・エヴァンゲリスト私立救貧院も、中世の技術を彷彿とさせる建築様式で知られています。

また、美しい壁画で知られるシェアボーン・ハウスは、BBCの番組『Restoration』でも取り上げられ、現在もその歴史を守り続けています。

コミュニティ：環境保全への意識と国際交流

シェアボーンには、環境問題に取り組む活発なグリーン・コミュニティが存在します。クォーア・ローカル・ネイチャー・リザーブやシェアボーン・エリア・パートナーシップなど、環境保全に力を入れる様々な団体が活動しています。2009年には、トランジション・タウンの正式メンバーにもなりました。

また、国際交流にも積極的に取り組んでおり、『ダウズラーグ』という姉妹都市連合のメンバーとして、ヨーロッパ各地の都市と交流を深めています。毎年開催されるパック・マンデー・フェアーも、地域住民の交流を深める重要なイベントです。

スポーツとレジャー：活気あふれる町のもう一つの顔

サッカー、クリケット、ラグビーなど、様々なスポーツクラブが活動しており、住民のスポーツ活動も盛んです。

カナダのトロントにあるシェアボーン・ストリートとシェアボーンTTC地下鉄駅は、この町にちなんで名付けられています。

このように、シェアボーンは歴史、文化、教育、自然、そして活気あるコミュニティが調和した魅力あふれる町です。訪れる人に、忘れられない思い出を残してくれることでしょう。

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