シェムリアップ・アンコール国際空港

シェムリアップ・アンコール国際空港について

シェムリアップ・アンコール国際空港（Siem Reap Angkor International Airport）は、カンボジアのシェムリアップ州ソトニコムに位置する新しい国際空港です。シェムリアップ中心部から東へ約45km離れた場所に建設され、2023年10月16日に開港しました。この空港は、アンコール遺跡群への観光客の増加に対応するため、旧シェムリアップ国際空港に代わる新たな空の玄関口として誕生しました。

新空港建設の背景

旧シェムリアップ国際空港は、アンコール遺跡群に近接しており、観光客の増加に伴い拡張を続けていました。しかし、遺跡群上空は飛行禁止区域に設定されており、航空機の利用できる滑走路方向が制限されていました。また、ジェット旅客機の振動や騒音が遺跡群に影響を与える懸念もありました。そのため、旧空港から東へ約51km離れた場所に、新空港を建設する計画が持ち上がりました。

新空港建設の経緯

新空港の建設は、2010年に韓国系企業の投資により検討が開始されました。その後、2016年に中国の習近平国家主席がカンボジアを訪問した際、雲南省投資控股集団（雲投集団）傘下のAngkor International Airport Investment (Cambodia) Co., Ltd. (AIAI)が、BOT方式で55年間の契約を締結しました。空港の運営・管理は、云南航空产业投资集团傘下のYunnan Air Investment (Cambodia) Airport Management (YACA)が担当しています。建設工事は山西机械化建设集团が受注し、2018年に着工しました。2023年4月には工事が93%完了し、5月には試験飛行も行われました。

空港施設概要

新空港は、総建設費用約11億ドル、敷地総面積1,000ヘクタール、空港面積700ヘクタールという広大な規模を誇ります。旅客ターミナルは50,000平方メートル、搭乗ゲートは15カ所、駐機場は38機分を備えています。ICAO飛行場等級コードは4Eに分類され、ボーイング777やエアバスA350などの大型旅客機にも対応可能です。開港時の旅客数は年間最大700万人を見込んでおり、2030年には1000万人、2050年には2000万人まで増加すると予測されています。

旧空港の閉鎖と新空港の開港

1932年に建設された旧シェムリアップ国際空港は、フランスのヴァンシ・エアポートが70%出資するCambodia Airportsとの間で、2040年までの空港運営契約を結んでいました。しかし、新空港の開港に伴い、旧空港は閉鎖されました。シェムリアップの観光業界は、新空港の完成に大きな期待を寄せています。

その他の情報

北京飞机维修工程 (Ameco) が、空港内に整備拠点を置くことが検討されています。また、中国企業による空港運営のため軍事利用も懸念されていますが、カンボジアのフン・セン首相はこれを否定しています。

就航航空会社

2024年5月現在、複数の航空会社がシェムリアップ・アンコール国際空港に就航しています。

アクセス

シェムリアップ市内中心部までは約45kmです。市内中心部へ繋がる国道6号線までは、24.5kmの空港アクセス道路が建設されました。市内中心部へは、ミニバンやミニバスが運行しており、公定料金は1台あたり35〜40ドルです。定期運行バスは、シェムリアップ市内のCDFアンコール免税店またはシェムリアップ郵便局との間で、1人8ドルで利用できます。また、ライトレールの建設も検討されています。さらに、ベンメリア遺跡までは約20kmの距離にあります。

関連項目

カンボジアの空港の一覧
シェムリアップ国際空港（閉鎖）
新プノンペン国際空港
ダラサコール国際空港
一帯一路

外部リンク

Siem Reap Angkor International Airport (中国語)(クメール語)(英語)
* カンボジア民間航空局 (クメール語)(英語)

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