シェリー・ダンカン

デビッド・シェリー・ダンカン：情熱を燃やした野球人生

デビッド・シェリー・ダンカン（David Shelley Duncan, 1979年9月29日 - ）は、アメリカ合衆国アリゾナ州ツーソン出身の元プロ野球選手です。ポジションは一塁手、外野手。右投右打。

野球一家に生まれて

ダンカンの父デーブ・ダンカンは元メジャーリーガー（捕手、後に投手コーチ）、弟のクリス・ダンカンもメジャーリーガー（外野手）という、まさに野球一家に育ちました。幼い頃から野球に触れる環境で育ち、才能を開花させていきました。

アリゾナ大学での活躍とプロ入り

アリゾナ大学時代には、大学オールアメリカン、PAC-10オールスターに選ばれるなど、目覚ましい活躍を見せました。その実績が評価され、2001年のMLBドラフト2巡目（全体62位）でニューヨーク・ヤンキースから指名され、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

ヤンキースでのメジャーデビュー

2005年には、傘下のAA級トレントン・サンダーでリーグトップの32本塁打、92打点を記録。イースタンリーグのオールスターゲームにも出場し、ホームランダービーで優勝するなど、着実に力をつけていきました。

2007年、AAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースで打率.296、25本塁打と好成績を残し、ジェイソン・ジアンビの故障もあり、シーズン途中にメジャー昇格を果たします。7月20日のタンパベイ・デビルレイズ戦に指名打者としてメジャーデビュー。初安打・初打点を記録すると、翌日の試合では初本塁打、翌々日には2本塁打を放つなど、鮮烈なデビューを飾りました。

乱闘騒ぎと苦難の時代

2008年はレギュラー候補として期待されていましたが、3月12日のタンパベイ・レイズとのオープン戦で二塁を守る岩村明憲に対して危険なスライディングを行い、乱闘騒ぎを起こしてしまいます。この件で3試合の出場停止処分を科され、レギュラー定着への道を阻まれてしまいました。

2009年はAAA級スクラントン・ウィルクスバリではインターナショナルリーグMVPに選ばれるほどの活躍を見せましたが、メジャーでは結果を残せず、苦しい時期を過ごしました。

インディアンス、レイズでのプレー

2010年、クリーブランド・インディアンスと契約。インディアンスでは2年連続で二桁本塁打を放ち、その長打力を発揮しました。2013年にはタンパベイ・レイズとマイナー契約を結び、開幕ロースター入りを果たしましたが、同年中にFAとなります。

指導者としての新たな道

2015年からは、アリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下A-級ヒルズボロ・ホップスの監督に就任し、指導者としてのキャリアをスタートさせました。その後も、傘下A+級バイセイリア・ローハイド、傘下AA級ジャクソン・ジェネラルズの監督を歴任。

2019年からはトロント・ブルージェイズのフィールドコーディネイターに就任し、チームの指導・育成に貢献。2021年からはシカゴ・ホワイトソックスのアナリティクスコーディネイターを務め、データ分析の面からチームを支えました。2023年からは古巣であるヤンキース傘下AAA級スクラントン・ウィルクスバリ・ヤンキースの監督に就任し、若手選手の育成に力を注いでいます。

愛された熱血漢

現役時代、ダンカンはダッグアウトに戻った際のチームメイトとの激しいハイタッチやチェストバンプ（胸を突き合う）といったアクションが特徴的で、その熱血ぶりは周囲を笑顔にしました。そこから「Slam」という愛称も生まれています。

年度別打撃成績

(年度別打撃成績は省略)

表彰

MiLBインターナショナルリーグ最優秀選手賞：1回（2009年）

背番号

17（2007年 - 2008年）
28（2009年）
47（2010年 - 2012年、2019年）
15（2013年）
49（2021年 - ）
* 2020年は背番号なし

デビッド・シェリー・ダンカンは、その情熱的なプレースタイルと、常に全力でプレーする姿勢で、多くのファンに愛された選手でした。現役引退後も、指導者として、次世代の育成に尽力しており、今後の活躍が期待されます。

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