シェルショック (曲)

ニュー・オーダーが1986年にリリースした楽曲「シェルショック (Shellshock)」は、同グループを代表するヒット曲の一つとして知られています。この曲は、ジョン・ヒューズ監督による青春映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角|プリティ・イン・ピンク_恋人たちの街角』のために書き下ろされ、劇中で使用されたことで、世界中にその名を知らしめることになりました。

前作「サブ・カルチャー」と同様に、メンバーであるギタリストのギリアン・ギルバートとベーシストのピーター・フック、そして長年ニュー・オーダーと活動を共にするジョン・ロビーとの共作という点も注目に値します。「シェルショック」は、その後、ニュー・オーダーのベスト・アルバム『サブスタンス』などにも収録され、彼らの代表曲として広く親しまれるようになりました。

ファクトリー・レコードからリリースされた12インチ・シングルには、A面に「シェルショック」が収録され、B面には別ヴァージョンである「シェルコック (Shellcock)」が収録されています。「シェルショック」は9分41秒、「シェルコック」は7分35秒と、いずれも7分を超える長尺の楽曲となっています。これらの楽曲は、後に数多くのアーティストに影響を与え、80年代音楽シーンに大きな足跡を残しました。

イギリスでは全英シングルチャートで最高位28位を記録し、商業的にも成功を収めました。また、プロモーション・ビデオには、1985年に日本で行われたニュー・オーダーの来日公演時の貴重な映像と、新幹線から見た日本の風景、そして京都タワーなどが含まれています。これは、当時の日本におけるニュー・オーダーの人気を示す象徴的な映像となっています。

日本においては、当時ファクトリー・レコードの販売を行っていた日本コロムビアからリリースされました。海外盤と同様に「シェルショック」と「シェルコック」の2曲が収録され、日本のファンにも広く受け入れられました。

映画『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角|プリティ・イン・ピンク_恋人たちの街角』で主演を務めたモリー・リングウォルドは、ニュー・オーダーの大ファンとして知られています。この映画では、「シェルショック」だけでなく、ニュー・オーダーの楽曲「シーヴス・ライク・アス (Shellshock)」のインストゥルメンタル・ヴァージョンも使用されています。また、米国盤シングルには、「シェルショック」と「シーヴス・ライク・アス（インストゥルメンタル）」がカップリングとして収録されました。

このように「シェルショック」は、映画とのタイアップ、ベストアルバムへの収録、そして世界各国でのリリースを通して、ニュー・オーダーの代表曲としての地位を確立しました。その独特なサウンドと、映画との関連性、そしてプロモーションビデオに収められた日本の風景は、この曲を単なるヒット曲以上の存在として、音楽史に刻み込む重要な要素となっています。楽曲の持つ独特な雰囲気、そして長尺ながらも飽きさせない構成は、今聴いても新鮮で、80年代音楽シーンを代表する名曲の一つであると言えるでしょう。

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