シェルビー・スーパーカーズ・エアロ

SSCエアロ：アメリカが生んだ超高速スーパーカー

概要

SSC（シェルビー・スーパーカーズ）社が製造したスーパーカー、SSCエアロは、2004年に「SSCエアロSC/8T」としてデビューしました。欧州車にも引けを取らない洗練されたボディデザイン、バタフライドアを採用したスタイリッシュなシルエットが特徴です。カーボンコンポジットボディとスチールスペースフレームシャシーの組み合わせ、そしてアメリカ車らしいレーシングストライプが、その力強さを際立たせています。サスペンションは前後ダブルウィッシュボーン式、ミシュラン製パイロットスポーツPS2タイヤを装着し、優れた走行性能を実現しています。パワートレインには、シボレー製スモールブロックV型8気筒OHVエンジンにインタークーラーツインターボを搭載。圧倒的な加速性能と最高速度を誇ります。

2009年モデル：パワーアップと更なる進化

2009年モデルでは、エンジンに大幅な改良が施されました。新たに独自設計のアルミニウム削り出しエンジンブロックを採用することで、最高出力は1287馬力に向上。前モデルから104馬力、15%のパワーアップを達成しました。最大トルクも向上し、最高速度は驚異の434.5km/hを誇ると発表されました。さらに、エアロブレーキシステムを搭載。ブレーキ操作に応じてリアスポイラーが自動制御され、制動性能を高めています。快適装備も充実し、エアコン、10スピーカーオーディオ、ナビゲーションシステムを標準装備。しかしながら、ABSやトラクションコントロールは装備されていませんでした。それでも、65万4500ドルという価格は、最高速度400km/h超えのスーパーカーとしては非常に魅力的な価格帯でした。

2010年モデル：軽量化への挑戦

2010年モデルでは、オーストラリアのカーボンレボリューション社と共同開発した世界初のカーボンファイバー製ワンピースホイールを採用。従来のアルミホイールに比べ40～50%の軽量化に成功し、走行性能の向上に貢献しました。

EVモデルへの挑戦：未来への展望

SSCは、EVモデルの開発にも着手しました。独自のツインモーターシステム「AESP」を搭載し、110Vで10分充電可能なリチウムイオンバッテリーと組み合わせることで、最高出力1200馬力、最大トルク112kgmを実現する計画でした。0-60mph加速2.5秒、最高速度約335km/h、航続距離320kmという高い目標を掲げ、開発が進められていました。また、エンジンモデルと比較して小型化も予定されていました。

世界記録への挑戦：歴史に残る偉業

2007年9月、SSCエアロはワシントン州のハイウェイ221号線を封鎖して、最高速度世界記録に挑戦しました。2回の走行平均速度は412.28km/h(最高速度は414.31km/h)を記録。当時、ケーニグセグ・CCRとブガッティ・ヴェイロンが記録していた最高速度を更新し、ギネス世界記録を達成しました。しかし、2010年にはブガッティ・ヴェイロン・スーパースポーツが更なる記録更新を果たし、SSCエアロの記録は塗り替えられました。

まとめ

SSCエアロは、アメリカの技術力を結集した、まさに夢のようなスーパーカーでした。その圧倒的なスピード、そして挑戦的な姿勢は、自動車史に名を刻む偉業です。最高速記録更新という輝かしい歴史を持つ一方で、比較的安価な価格設定も魅力の一つでした。EVモデルへの取り組みからも、未来を見据えた技術開発への情熱が感じられます。SSCエアロは、スーパーカーの歴史における重要な1ページを飾る存在であり続けるでしょう。

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