シェークハンド

シェークハンド：卓球ラケットの主流グリップ

シェークハンドは、卓球において最も広く使用されているラケットの握り方、およびその握り方に適したラケット形状を指します。ヨーロッパで発展し、現在では世界中で多くの選手が採用しており、その使用率は非常に高いです。

シェークハンドの特徴

シェークハンド最大の利点は、ラケットの両面にラバーを貼れる点です。これにより、フォアハンドとバックハンドの両方を自由に使いこなせるようになり、多彩な攻撃を展開できます。特にバックハンドは、ペンホルダーと比較して打ちやすいとされています。

様々な戦型に対応できるのもシェークハンドの特徴です。ドライブ主戦型、異質攻守型、前陣速攻型、オールラウンド型、カット主戦型など、選手のスタイルに合わせて多様なプレイスタイルが可能です。現在最も多い戦型はドライブ主戦型です。

一方で、ミドルに来たボールへの対応がやや難しいことや、サービス時に持ち方を変える必要があるケースがある点は、シェークハンドの欠点として挙げられます。また、両面にラバーを貼るため、ラケット全体の重量が重くなる傾向もあります。

シェークハンドグリップの種類

シェークハンドには、大きく分けてストレート（ST）、フレア（FL）、アナトミック（AN）の3種類があります。その他、コニック（CO）やストレートインクライングリップ（SI）なども存在しましたが、現在では生産されていません。

最も一般的なのはストレートとフレアで、アナトミックは使用者が少ないのが現状です。グリップ形状の違いは、打感や扱い方に影響を与えます。同じブレードでも、グリップ形状によって、ラケットのしなり方や操作性が変化します。

ストレート（ST）

ストレートグリップは、グリップが真直ぐな形状です。握り替えが容易で、ラケット角度の微調整もしやすいことから、高い自由度を誇ります。フォアハンドとバックハンドをバランスよく使用する選手や、後陣でカットを多用する選手に適しています。

しなりにくい形状のため、スマッシュやミート打ちを得意とする選手に向いています。一方、ドライブなどの回転をかける技術は、ラバーの特性やラケットの材質、手首の動きなど、多くの要素に依存します。ヨーロッパの選手やカットマンに多く使用されています。

フレア（FL）

フレアグリップは、グリップエンドに向かって曲線状に広がった形状です。カタログでは初心者向けと記載されることもありますが、これはグリップエンド寄りの重心により、ラケットが振りやすくなるためです。

日本刀のような、しなりを利用した打ち方が特徴です。グリップの反りを利用してラケットをしならせることで、回転量と威力を生み出します。中陣での威力のあるフォアハンドドライブを多用する選手に適しており、中級者以上で威力を発揮するグリップと言えるでしょう。

握り替えが難しいことや、ヘッドが下がりやすいことから、プッシュのような押す打ち方や、手首を固めて打つ打法には適していません。アジア圏の選手、特に中国の選手に多く使用されています。

アナトミック（AN）

アナトミックグリップは、樽形のような形状をしています。手にフィットしやすい設計ですが、ストレートとフレアの両方の特徴を兼ね備えているため、中途半端な印象を持たれることもあります。

ループドライブなどの回転重視の打法や、後陣でのプレーにはやや不向きです。特に、3枚合板や7枚合板など、中芯が横目のラケットではその傾向が顕著になります。生産数も少ないため、選択肢が限られているのも欠点です。

その他のグリップ

コニック（CO）やストレートインクライングリップ（SI）は、かつて存在しましたが、現在は生産されていません。コニックはオールラウンド型の選手に適していましたが、手の大きい人にはフィットしにくいという問題がありました。

まとめ

シェークハンドは、その多様なグリップ形状と両面ラバーの使用により、幅広い戦型に対応できる万能なグリップです。それぞれのグリップ形状の特徴を理解し、自分のプレイスタイルや好みに合ったものを選ぶことが、卓球上達への近道となります。自分に最適なグリップを選ぶことで、より効果的に卓球を楽しむことができるでしょう。

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