シカクマメ

シカクマメ（四角豆）

シカクマメ（学名: Psophocarpus tetragonolobus）は、マメ科シカクマメ属の多年草です。日本では冬に枯れるため一年草として扱われます。熱帯アジアまたはマダガスカルが原産とされ、特徴的な四角形の莢と、その四隅についた翼状のひだが名前の由来となっています。

名称について

和名の「シカクマメ」は、莢の断面が四角形であることに由来します。学名の種小名tetragonolobusも同様に「四角形」を意味します。別名として、トウサイ、ハネミササゲなどがあり、英語では翼に見立てて「Winged bean（ウイングドビーンズ）」と呼ばれます。中国語では「四棱豆（シリョウトウ）」です。

沖縄では「うりずん豆」や「シカクマーミ」と呼ばれ、本土では「琉球四角豆」とも呼ばれます。特に沖縄で栽培される品種「ウリズン」は、沖縄の言葉で「潤い初め」を意味し、旧暦2〜3月頃、春分から梅雨入り前の時期を指します。

食用としての利用

シカクマメは熱帯性のつる性植物で、主に長さ15cmほどの若い緑色の莢を食用とします。調理法は様々で、煮物、炒め物、酢の物、和え物、天ぷら、サラダなど、幅広い料理に利用できます。タイではスープの具としても親しまれています。軽い苦味がありながらも、さっぱりとした味わいとシャキシャキとした食感が特徴です。

莢だけでなく、花、葉、熟した豆、そして地下にできる根も食用になります。地下根は茹でたり揚げたりするとピーナッツのような香りが楽しめ、デンプンも豊富です。完熟した豆は大豆のように利用できます。

栄養価

シカクマメは低カロリーで、可食部100gあたり約20kcalです。水分は約93g、たんぱく質2.4g、脂質0.1g、炭水化物3.8gが含まれています。β-カロテン、ビタミンC、カリウムが豊富で、ビタミンK、ビタミンB群、カルシウムもバランス良く含まれています。特に豆は高タンパク質、高脂肪で、大豆に匹敵する栄養価があります。

栽培方法

シカクマメは春に種をまき、夏から初秋にかけて若い莢を収穫します。在来品種は短日性が強く、沖縄県以外では開花・結実しにくいことがありましたが、品種改良により夏でも開花・結実する「ウリズン」が開発されました。

高温に強く霜に弱いため、温暖な地域での栽培が適しています。つるが旺盛に伸びるため、支柱を立ててつるを這わせ、風通しを良くすることが大切です。若い莢を収穫しますが、収穫が遅れると四隅のひだが傷んでしまうため、適期に収穫します。

種まきは、畑に直接種をまくか、育苗ポットで苗を育ててから定植します。寒さに弱いので、沖縄以外では苗から育てるのがおすすめです。畑には植え付けの2週間ほど前に元肥を施し、畝を作ります。つるが伸びる前に支柱を立て、追肥は開花初期と収穫期に行います。花が咲いてから2週間ほどで莢が10〜15cmに成長し、収穫適期を迎えます。地上部が枯れたら、地下の芋も収穫できます。

シカクマメは病虫害が少なく、家庭菜園でも比較的育てやすい野菜です。緑のカーテンとしても利用でき、食用にもなるため、一石二鳥の効果が期待できます。

もう一度検索