シグニフィカント・アザー

リンプ・ビズキット『シグニフィカント・アザー』

『シグニフィカント・アザー』（Significant Other）は、リンプ・ビズキットが1999年に発表した2枚目のアルバムです。この作品は、バンドにとって初の世界的規模での商業的成功を収めた重要なアルバムとなりました。

アルバム概要

アルバムはアメリカのビルボード200で初登場1位を獲得し、初週に64万枚を売り上げました。その後も3週連続で1位を維持し、4週目で2位に落ちたものの、6週目には再び1位に返り咲くなど、北米での圧倒的な人気を確立しました。最終的には、北米で800万枚、ヨーロッパで100万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。

音楽性

前作から更なる音楽性の進化を追求した今作では、プロデューサーにパンテラやデフトーンズを手掛けたテリー・デイトを起用しました。ラッパーのメソッド・マンとのコラボレーションによる本格的なヒップホップへのアプローチや、多彩なゲスト・ボーカルを迎えての多次元的なロック表現は、批評家からも高い評価を受けました。

フレッド・ダーストは、「Re-Arranged」と「N 2 Gether Now」のミュージックビデオを自ら監督し、映像監督としてのキャリアもスタートさせました。

パフォーマンスと評価

ウッドストック・フェスティバル'99をはじめとする国内外での精力的なライブ・パフォーマンスは高い評価を得ましたが、一方でメンバーの素行問題も浮き彫りになり、メディアからの批判も浴びるようになりました。しかし、アルバムのセールスには影響はありませんでした。

収録曲について

アルバムには、以下のような楽曲が収録されています。

"Intro"：短いイントロダクション。
"Just Like This"
"Nookie"：1stシングル。フレッドの元カノを糾弾する歌詞が特徴的で、バンドサウンドも野心的。ポルノ雑誌の表紙からインスピレーションを得たタイトル。ラジオでのヘビープレイにより、バンドの人気を決定づけた代表曲。2000年のグラミー賞ベスト・ハードロック・パフォーマンス部門にノミネート。
"Break Stuff"：4thシングル。ミュージックビデオには、スヌープ・ドッグ、コーンのジョナサン・デイヴィス、ドクター・ドレ、エミネム、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリー、アレック・ボールドウィン、デレク・ジーターなど、多数の著名人がカメオ出演している。ライブ演奏の定番曲であり、多くのバンドにカバーされている。
"Re-Arranged"：2ndシングル。ウッドストック騒動の裁判で有罪判決が下り、バンドメンバーが牛乳で溺死させられるという内容のミュージックビデオが話題となった。
"I'm Broke"：前作で収録が見送られた楽曲を再構成したもの。
"Nobody Like You"：コーンのジョナサンと元ストーン・テンプル・パイロッツのスコット・ウェイランドがゲスト参加。ジョン・オットーがドラムソロを初披露。
"Don't Go Off Wandering"：ウェス・ボーランドの弟スコット・ボーランドが作曲に参加。デモバージョンではシステム・オブ・ア・ダウンのサージ・タンキアンが参加していたが、製品版ではカットされている。
"9 Teen 90 Nine"：映画『ワイルド・スピード』のトレーラーで使用された。
"N 2 Gether Now"：3rdシングル。メソッド・マンとのコラボレーション。アニー・シャランの楽曲をサンプリング。
"Trust?"
"No Sex"：ステインドのアーロン・ルイスが参加。
"Show Me What You Got"
"A Lesson Learned"
* "Outro"

まとめ

『シグニフィカント・アザー』は、リンプ・ビズキットの音楽性を大きく飛躍させた作品であり、その後のニュー・メタルシーンに大きな影響を与えました。多彩なゲストを迎え、ヒップホップの要素を取り入れた革新的なサウンドは、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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