シグマオートモーティブ

株式会社シグマオートモーティブ：モータースポーツから多角経営へ

1972年創業の株式会社シグマオートモーティブは、日本の自動車アフターパーツ業界、そしてモータースポーツの歴史に深く関わってきた企業です。その始まりは、世界三大レースの一つであるル・マン24時間レースへの挑戦でした。

ル・マン挑戦と日本のモータースポーツ界

創業者である加藤眞氏は、トヨタ[[自動車]]でモータースポーツ部門に携わった経験を持つ人物でした。シグマオートモーティブ設立後、チームはすぐにル・マン24時間レースへの挑戦を目標に掲げ、独自のマシン開発に着手しました。初期の挑戦では、トヨタからのエンジン供給が直前でキャンセルになるというアクシデントに見舞われましたが、急遽マツダのロータリーエンジンを搭載してレースに参加しました。その後も、トヨタエンジンを搭載したマシンでル・マンに挑戦するなど、日本の自動車メーカーとの技術交流を深めながら、レース活動を続けました。

このル・マン挑戦は、3年で財政難により終了することとなりましたが、ヨーロッパの自動車関連企業とのネットワーク構築という貴重な経験を生み出しました。そのネットワークを活用することで、ターボチャージャー製造の名門であるKKK社の輸入総代理店になるなど、大きなビジネスチャンスを掴むことになります。

HKSへの出資と主要ブランドの設立

シグマオートモーティブは、日本のチューニングメーカーとして有名なHKSにも出資しており、HKSの社名「HKS」は、それぞれ創業メンバーの長谷川氏、北川氏、そしてシグマオートモーティブを表しています。

また、シグマオートモーティブは、自動車アフターパーツブランドとしてBLITZを立ち上げました。その後、BLITZは独立し、現在の株式会社ブリッツとなりました。シグマオートモーティブは、新たなアフターパーツブランドとしてSARDを設立し、レース活動でもSARD名義で活躍するようになりました。SARDは現在も、多くのモータースポーツファンに知られるブランドです。

多角経営への展開

近年は、モータースポーツ関連事業に加え、多角的な事業展開を行っています。スポーツボートメーカーとして「cleaver」の製造販売を手掛け、トヨタマリンの代理店業務も展開しています。さらに、人材支援サービスにも進出するなど、事業領域を着実に拡大しています。

まとめ

株式会社シグマオートモーティブは、ル・マン24時間レースへの挑戦から始まり、数々の有名ブランドの設立、そして多角的な事業展開へと発展を遂げてきました。日本のモータースポーツ界に貢献すると同時に、自動車関連産業において重要な役割を果たしてきた企業として、その歴史と今後の動向に注目が集まります。 創業から現在に至るまで、常にチャレンジ精神と革新的な取り組みを続け、日本の自動車産業の発展に貢献し続けていると言えるでしょう。

もう一度検索