シゲルピンクダイヤ

シゲルピンクダイヤ：宝石の名を冠した競走馬の軌跡

2016年2月12日、北海道日高町で誕生した競走馬シゲルピンクダイヤ。その名は、冠名「シゲル」と、希少価値の高い宝石「ピンクダイヤ」を組み合わせた、美しく高貴な響きを持つ。

競走馬としてのキャリアは、2018年の2歳シーズンからスタートする。デビューは京都競馬場の新馬戦。3着という結果に終わったものの、続く未勝利戦で初勝利を飾る。この勝利は、彼女が持つ潜在能力を示唆するものだった。

翌3歳シーズン(2019年)には、クラシックへの挑戦が始まる。チューリップ賞では4番人気ながら2着、続く桜花賞でも2着と、早くからその実力を証明。桜花賞では、後方から驚異的な末脚を繰り出し、メンバー最速の上がりタイムを記録した。GIタイトルこそ逃したものの、その潜在能力の高さを示す走りだった。続く優駿牝馬では距離延長が影響したのか12着に敗れるも、秋シーズンではローズステークス4着、秋華賞3着と、安定した走りを見せた。そして迎えたターコイズステークスでは1番人気に支持されたものの3着と、惜しくも勝利には届かなかった。

4歳シーズン(2020年)は、マイル前後のレースを主戦場としたが、思うような結果を残すことができず苦戦が続いた。しかし、中日新聞杯では2着と好走を見せ、潜在能力の片鱗を再び垣間見せた。

5歳、6歳シーズン(2021年、2022年)は、中距離戦を中心に走ったものの、残念ながら着外が続いた。それでも、中日新聞杯で3着と健闘を見せるなど、最後まで諦めずに走り続けた。2022年1月15日に行われた愛知杯を最後に、競走生活に幕を閉じた。

競走生活を終えたシゲルピンクダイヤは、北海道むかわ町の平岡牧場で繁殖牝馬としての新たな道を歩み始める。初年度の交配相手はエピファネイアだったが受胎せず、その後モーリスとの交配で受胎が確認され、2023年4月22日には初仔となる牝馬を出産した。

そして、驚くべき出来事が起こる。元馬主の森中蕃氏の逝去に伴い、2023年1月25日に行われた株式会社ジェイエス2023【冬季】繁殖馬セールの競売に上場されたシゲルピンクダイヤ。販売価格は30万円と設定されたものの、なんと税抜き1億5000万円という高額で落札されたのだ。国内繁殖牝馬のセリ史上、異例の高額落札となった。これは、競走馬時代の活躍と、その血統背景、そして将来性への期待が反映された結果と言えるだろう。

シゲルピンクダイヤは、競走馬としての華麗な活躍と、繁殖牝馬としての新たなスタートを切った希有な存在である。その血統には、半妹に2021年フィリーズレビュー勝ち馬のシゲルピンクルビーを持つなど、優れた遺伝子を受け継いでいる。彼女の未来、そしてその子孫の活躍に、大きな期待が寄せられている。

主な戦績 (netkeiba.comの情報に基づく):

2歳：未勝利戦勝ち
3歳：チューリップ賞2着、桜花賞2着、秋華賞3着
4歳：中日新聞杯2着
5歳～6歳：愛知杯14着(最終戦)

血統表:

(詳細な血統表は省略。必要であれば外部サイトを参照ください。)

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