シセロ (イリノイ州)

シセロについて

シセロは、アメリカ合衆国イリノイ州クック郡に位置する町で、シカゴの西に隣接する工業都市です。2020年の国勢調査によると、人口は約8万5千人です。町の名称は、古代ローマの著名な政治家マルクス・トゥッリウス・キケロに由来しています。

歴史

1840年代、イリノイ・ミシガン運河とシカゴ・バーリントン・アンド・クインシー鉄道の開通は、シセロをシカゴ郊外の工業地域として発展させる原動力となりました。初期にはポーランドやチェコなど東ヨーロッパからの移民が多く住み着きました。当初、水運と鉄道は競合していましたが、次第に鉄道が優勢となりました。

1868年に法人化した当初、シセロの面積は現在の6倍もありました。しかし、オークパークやバーウィンなどが分離独立した結果、現在の面積は約15平方キロメートルとなっています。

1920年代には、禁酒法時代を背景に、シセロは水運を利用した密輸の拠点となり、ギャングが暗躍しました。特に有名なのが、アル・カポネです。彼はシセロの町役場を支配下に置き、その組織「シカゴ・アウトフィット」は現在も存在すると言われています。

第二次世界大戦後、メキシコ系を始めとするヒスパニック系住民が流入し、シセロはラテン文化の色濃い街へと変化しました。

人口動勢

2020年のアメリカ合衆国国勢調査によると、シセロの人口の約88％がヒスパニック系住民です。

2010年の国勢調査データに基づくと、シセロの人口は8万3891人、世帯数は2万2101世帯、家族数は1万7752家族でした。人口密度は1平方キロメートルあたり5527.4人（1平方マイルあたり1万4315.9人）で、住居密度は1平方キロメートルあたり1600.6軒（1平方マイルあたり4151.7軒）です。

収入の中央値は、世帯で3万9557米ドル、家族で4万2235米ドルでした。性別ごとの収入の中央値は、男性が3万1603米ドル、女性が3万1117米ドルでした。1人当たりの収入は1万4339米ドルでした。

貧困線以下の人口は全体の18.3％、家族では15.6％でした。18歳未満の貧困率は22.9％、65歳以上では16.2％でした。

年齢別に見ると、18歳未満が33.8％、18歳から24歳が11.6％、25歳から44歳が30.9％、45歳から64歳が17.7％、65歳以上が5.9％でした。年齢の中央値は27.8歳です。性比は、女性100人に対し男性が103.7人、18歳以上では103.9人でした。

人種別に見ると、白人が51.9％、アフリカ系アメリカ人が3.8％、ネイティブ・アメリカンが0.8％、アジア人が0.6％、太平洋諸島系が0.1％、その他が39.3％、混血が3.5％でした。ヒスパニック・ラテン系は89.6％を占めています。

交通

シセロには、「シカゴ交通局」のピンクラインと「メトラ」の駅があります。これらの駅は1キロメートルほど離れています。

関連項目

ポール・マルチンクス
ホーソン工場

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