シトロエン・DS5

シトロエン・DS5（ディーエスファイブ）

シトロエン・DS5は、フランスの自動車メーカー、シトロエンが開発したクロスオーバーSUVです。このモデルは、伝説的な高級車「シトロエン・DS」にちなんで名づけられ、2005年に展示されたコンセプトカー「C-スポーツラウンジ」がその起源となっています。2011年に中国で初めての公開を迎え、同年11月からフランスのソショー工場にて生産が始まりました。

外観は、5ドアハッチバックとステーションワゴンのデザイン要素を融合させたもので、シトロエンはこれを「シューティングブレーク」と称しています。特に目を引くのは、3分割されたサンルーフと航空機のコクピットを模したルーフスイッチです。これらの特徴は、シトロエン・DS5のユニークなイメージを際立たせています。

日本での展開

日本国内では2012年8月に「DS5シック」として発売されました。パワートレインには、1.6L直列4気筒ターボエンジンとトルクコンバーター付き6段ATが搭載され、燃費は11.3km/Lを実現しています。また、2013年には中国での生産が開始されたことも発表されました。

2015年には改良モデルが発表され、ジュネーブモーターショーでの展示が話題となりました。このモデルでは、シトロエンから独立したDSブランドとして新たなブースが設けられ、ブランドの個性を強化しました。さらに、2016年になって大幅な改良が施されたモデルが日本向けに発表され、副次的なDTOブランドロゴがその特徴となりました。

エンジンと性能

DS5には、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンのほか、ハイブリッドモデルが用意されています。特にディーゼルモデルは、2.0Lのクリーンディーゼルエンジンを搭載し、最高出力180ps、トルク400Nmという優れた性能を持っています。燃費性能は17.3km/Lを達成し、効率性でも高評価を得ました。後期型では、尿素SCR技術を採用した2.0L BlueHDiディーゼルバージョンも追加され、選択肢が広がりました。

伝統と革新

シトロエンは、フランスの大統領就任式に使用される車両としても知られています。2012年のフランソワ・オランド大統領の就任式では、特にハイブリッド仕様のDS5が選ばれ、シトロエンの伝統と高級感を象徴する場面となりました。 DS5は、単なる移動手段を超えて、フランスの歴史と文化を反映した特別な車両としての地位を確立しています。

終焉と未来

残念ながら、2018年にDS5は生産を終了しましたが、そのデザインと技術はシトロエンとDSブランドの発展に大きな影響を与えました。DS5は、その独自性と高級感で、フランスの自動車産業に名を刻んだモデルと言えるでしょう。

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