シドニー・ウィックス

シドニー・ウィックスについて

シドニー・ウィックス（Sidney Wicks）は、1949年にロサンゼルスで生まれ、1970年代のプロバスケットボール界で名を馳せた選手です。彼はUCLAバスケットボールチームの一員として、大学時代からすでにその才能を発揮しており、ポジションはパワーフォワード、身長203cm、体重102kgという恵まれた体格を活かしてプレーしました。

UCLA時代の活躍

ウィックスはアレクサンダー・ハミルトン高校を卒業後、学業成績が足りなかったため、サンタモニカカレッジで1年間学びました。そして1968年に念願のUCLAに入学し、翌シーズンから同校のバスケットボールチームに参加しました。ウィックスが入学した年、UCLAはすでにNCAAトーナメントの王者であり、彼もその栄光の中で成長していきます。

彼は初年度はベンチスタートながらも、平均7.5得点を記録し、名将ジョン・ウッデンの信頼を勝ち取りました。翌シーズン、ウィックスはチームの中心選手として活躍し、18.6得点、11.9リバウンドという素晴らしい成績を残しました。特に1969-70シーズンのNCAA決勝では、221cmのセンター、アーティス・ギルモアとの対戦で存在感を示し、チームを優勝に導きました。このシーズンの成果により、ウィックスは大会MVPに選出されています。さらに、その後のシーズンでも圧倒的な活躍を見せ、UCLAはNCAA四連覇を達成しました。ウィックスの背番号35は大学で永久欠番に指定されるほどの名選手となったのです。

NBAでのキャリア

大学卒業後、ウィックスは1971年のNBAドラフトに参加し、ポートランド・トレイルブレイザーズから全体2位指名を受けてNBA入りを果たしました。ルーキーシーズンからエースとして活躍し、平均24.5得点、11.5リバウンドを記録し、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。しかし、ブレイザーズはチーム成績が振るわず、ウィックスはプレーヤーとしての味わい深い成長を求める一方で、チーム内の人間関係に悩むこともありました。

特に、チームメイトのジェフ・ペトリーとの関係は冷え込んでおり、最終的に二人がイスラエル旅行をすることで問題が解決しました。その後、ウィックスは引き続きNBAで成功を収めましたが、1975-76シーズンにはトレイルブレイザーズのチーム刷新が行われ、彼はボストン・セルティックスに移籍。以降、彼の成績は下降線をたどり、1978-79シーズンにはサンディエゴ・クリッパーズに移籍し、平均得点が二桁を下回る結果となり、1981年に現役を引退しました。彼のNBAでの成績は、760試合出場で通算12,803得点、6,620リバウンド、2,437アシストを記録し、平均16.8得点、8.7リバウンド、3.2アシストというものでした。

引退後の活動

引退後のウィックスは、最初の1年間をイタリアで過ごし、その後は母校UCLAに戻りコーチとしての道を歩みました。他にも、主に不動産業界に携わったり、指導者としてのキャリアを築いたりしました。

主な業績

• - NCAAトーナメント優勝：1969, 1970, 1971年
• - NBAルーキー・オブ・ザ・イヤー：1972年
• - NBAオールスターゲーム出場：1972～1975年
• - ポートランド・トレイルブレイザーズの1試合27リバウンドというチーム記録保持

ウィックスのキャリアは、彼の素晴らしいアスレチック能力とバスケットボールへの情熱が結実したものです。彼は多くの後進選手に影響を与え、その足跡は今日に受け継がれています。

もう一度検索