アーティス・ギルモア
アーティス・ギルモアは、ABAとNBAでその名を轟かせた、アメリカ合衆国出身の元プロバスケットボール選手です。センターとして、1970年代から80年代にかけて両リーグを代表するビッグマンとして活躍し、2011年にはバスケットボール殿堂入りを果たしました。
「The A-Train」というニックネームは、670試合連続出場という記録を打ち立てた、彼の並外れた頑丈さに由来します。
フロリダ州チップリーで生まれたギルモアは、ガードナー・ウェブ短期大学で2年間プレーした後、ジャクソンビル大学へ転校しました。ジャクソンビル大学では、2年間で平均24.3得点、22.7リバウンドという驚異的な成績を残し、NCAA史上わずか5人しかいない、キャリア平均20得点20リバウンドを達成しました。また、NCAAディビジョンⅠリバウンド王を2年連続で獲得し、キャリア平均22.7リバウンドは、現在もNCAA史上1位の記録として輝いています。1970年には、チームを初のNCAAトーナメント決勝に導きましたが、シドニー・ウィックス率いるUCLAに惜しくも敗れました。最終学年の1971年には、オールアメリカ1stチームに選出されています。
1971年、大学卒業後、ギルモアはABA入りを表明し、10年250万ドルという破格の契約でケンタッキー・カーネルズに入団しました（NBAのシカゴ・ブルズからも全体117位で指名を受けています）。
1年目から、ギルモアは圧倒的な存在感を示し、平均23.8得点、17.8リバウンドの成績でリバウンド王を獲得するとともに、カーネルズをリーグトップの68勝に導きました。ジュリアス・アービングを抑えて新人王に輝き、さらにルーキーながらMVPを受賞するという快挙を成し遂げました。その他、オールスター、オールABA1stチーム、オールルーキー1stチームにも選出されています。
2年目の1972-73シーズンには、平均20.8得点、17.6リバウンドで2年連続のリバウンド王に輝きました。ダン・イッセルとギルモアを擁したカーネルズは56勝を記録し、2年ぶりにファイナルに進出しましたが、インディアナ・ペイサーズに3勝4敗で敗れました。翌1973-74シーズンには、自己最高の平均18.3リバウンドを記録し、3年連続リバウンド王を受賞しました。また、オールスターでは18得点、13リバウンド、4ブロックをあげてMVPを獲得しています。
1974-75シーズン、ギルモアはキャリアで初めてリバウンド王を逃しましたが、平均23.6得点、16.2リバウンドという好成績をあげました。カーネルズはリーグ2位の58勝を記録してファイナルに進出し、インディアナ・ペイサーズを4勝1敗で破って初優勝を果たしました。ギルモアはファイナル平均25.0得点、21.0リバウンド、シリーズ最終戦では28得点、31リバウンドと、圧巻のパフォーマンスを見せ、プレーオフMVPを受賞しました。
ABAでのラストシーズンとなった1975-76シーズン、ギルモアは平均24.6得点、15.5リバウンドで自身4度目のリバウンド王を獲得しました。しかし、シーズン前にダン・イッセルをトレードで失ったカーネルズは46勝に留まり、プレーオフでも準決勝で敗退しました。シーズン終了後、ABAとNBAの合併に伴ってカーネルズは解散しました。
ギルモアはABAでプレーした5年間で、平均22.3得点、17.1リバウンド、3.4ブロック、フィールドゴール成功率.557を記録しました。通算7,169リバウンドはABA史上2位、1,431ブロックは同1位の数字です。また、全てのシーズンでオールスターとオールABA1stチームに選ばれ、オールディフェンシブ1stチームにも4年連続で名を連ねました。ギルモアは、メル・ダニエルズやジュリアス・アービングと並んで、ABA史上最重要選手の1人と見なされており、1997年に発表されたABAオールタイムチームには満票で選出されています。
1976年、ギルモアは元ABA選手を対象としたエクスパンション・ドラフトにおいて、全体1位指名を受け、シカゴ・ブルズに入団しました。NBA2年目の1977-78シーズンには、平均22.9得点、13.1リバウンドの好成績でオールスターに選ばれ、オールディフェンシブ2ndチーム入りも果たすなど、NBAでもリーグ屈指のビッグマンとしての地位を確立しました。翌1978-79シーズンは、NBAで自己最高となる平均23.7得点を記録しましたが、1979-80シーズンに怪我で34試合を欠場し、プロデビュー以来の連続フル出場が8年で途絶えました。
1980-81シーズン、完全復活したギルモアは、平均17.9得点、10.1リバウンドでオールスターに復帰し、チームをプレーオフのカンファレンス準決勝に導きました。また、リーグ首位のフィールドゴール成功率.670を記録し、この年から4年連続で成功率1位となりました。その後もう1シーズンをブルズでプレーし、1982年にサンアントニオ・スパーズに移籍しました。ブルズでは7シーズンで平均19.3得点、11.1リバウンドを記録し、オールスターに4度選出されました。
スパーズ1年目の1982-83シーズン、ギルモアは平均18.0得点、12.0リバウンドをあげ、ジョージ・ガービンとともにチームをカンファレンス決勝に導きました。以降もスパーズの大黒柱として安定した成績を残し続け、1986年にはプロ通算11度目となるオールスター出場を果たしました。その後1987年にトレードで古巣シカゴ・ブルズに復帰し、シーズン途中でボストン・セルティックスに移籍しました。1987-88シーズン終了後、ギルモアはNBAを去ってイタリアのプロリーグに移り、1シーズンプレーした後現役を引退しました。
ABAとNBAを合算した成績は、1,329試合の出場で通算24,941得点、16,330リバウンド、3,178ブロック（平均18.8得点、12.3リバウンド、2.4ブロック）、フィールドゴール成功率.582でした。生涯通算20,000得点、15,000リバウンドを達成した選手はギルモアを含め史上6人しかいません。また、NBAで記録したフィールドゴール成功率.599は史上5位（引退選手の中では1位）の数字です。
2011年、ギルモアはバスケットボール殿堂入りを果たしました。
「The A-Train」というニックネームは、670試合連続出場という記録を打ち立てた、彼の並外れた頑丈さに由来します。
大学時代
フロリダ州チップリーで生まれたギルモアは、ガードナー・ウェブ短期大学で2年間プレーした後、ジャクソンビル大学へ転校しました。ジャクソンビル大学では、2年間で平均24.3得点、22.7リバウンドという驚異的な成績を残し、NCAA史上わずか5人しかいない、キャリア平均20得点20リバウンドを達成しました。また、NCAAディビジョンⅠリバウンド王を2年連続で獲得し、キャリア平均22.7リバウンドは、現在もNCAA史上1位の記録として輝いています。1970年には、チームを初のNCAAトーナメント決勝に導きましたが、シドニー・ウィックス率いるUCLAに惜しくも敗れました。最終学年の1971年には、オールアメリカ1stチームに選出されています。
ABA時代
1971年、大学卒業後、ギルモアはABA入りを表明し、10年250万ドルという破格の契約でケンタッキー・カーネルズに入団しました（NBAのシカゴ・ブルズからも全体117位で指名を受けています）。
1年目から、ギルモアは圧倒的な存在感を示し、平均23.8得点、17.8リバウンドの成績でリバウンド王を獲得するとともに、カーネルズをリーグトップの68勝に導きました。ジュリアス・アービングを抑えて新人王に輝き、さらにルーキーながらMVPを受賞するという快挙を成し遂げました。その他、オールスター、オールABA1stチーム、オールルーキー1stチームにも選出されています。
2年目の1972-73シーズンには、平均20.8得点、17.6リバウンドで2年連続のリバウンド王に輝きました。ダン・イッセルとギルモアを擁したカーネルズは56勝を記録し、2年ぶりにファイナルに進出しましたが、インディアナ・ペイサーズに3勝4敗で敗れました。翌1973-74シーズンには、自己最高の平均18.3リバウンドを記録し、3年連続リバウンド王を受賞しました。また、オールスターでは18得点、13リバウンド、4ブロックをあげてMVPを獲得しています。
1974-75シーズン、ギルモアはキャリアで初めてリバウンド王を逃しましたが、平均23.6得点、16.2リバウンドという好成績をあげました。カーネルズはリーグ2位の58勝を記録してファイナルに進出し、インディアナ・ペイサーズを4勝1敗で破って初優勝を果たしました。ギルモアはファイナル平均25.0得点、21.0リバウンド、シリーズ最終戦では28得点、31リバウンドと、圧巻のパフォーマンスを見せ、プレーオフMVPを受賞しました。
ABAでのラストシーズンとなった1975-76シーズン、ギルモアは平均24.6得点、15.5リバウンドで自身4度目のリバウンド王を獲得しました。しかし、シーズン前にダン・イッセルをトレードで失ったカーネルズは46勝に留まり、プレーオフでも準決勝で敗退しました。シーズン終了後、ABAとNBAの合併に伴ってカーネルズは解散しました。
ギルモアはABAでプレーした5年間で、平均22.3得点、17.1リバウンド、3.4ブロック、フィールドゴール成功率.557を記録しました。通算7,169リバウンドはABA史上2位、1,431ブロックは同1位の数字です。また、全てのシーズンでオールスターとオールABA1stチームに選ばれ、オールディフェンシブ1stチームにも4年連続で名を連ねました。ギルモアは、メル・ダニエルズやジュリアス・アービングと並んで、ABA史上最重要選手の1人と見なされており、1997年に発表されたABAオールタイムチームには満票で選出されています。
NBA時代
1976年、ギルモアは元ABA選手を対象としたエクスパンション・ドラフトにおいて、全体1位指名を受け、シカゴ・ブルズに入団しました。NBA2年目の1977-78シーズンには、平均22.9得点、13.1リバウンドの好成績でオールスターに選ばれ、オールディフェンシブ2ndチーム入りも果たすなど、NBAでもリーグ屈指のビッグマンとしての地位を確立しました。翌1978-79シーズンは、NBAで自己最高となる平均23.7得点を記録しましたが、1979-80シーズンに怪我で34試合を欠場し、プロデビュー以来の連続フル出場が8年で途絶えました。
1980-81シーズン、完全復活したギルモアは、平均17.9得点、10.1リバウンドでオールスターに復帰し、チームをプレーオフのカンファレンス準決勝に導きました。また、リーグ首位のフィールドゴール成功率.670を記録し、この年から4年連続で成功率1位となりました。その後もう1シーズンをブルズでプレーし、1982年にサンアントニオ・スパーズに移籍しました。ブルズでは7シーズンで平均19.3得点、11.1リバウンドを記録し、オールスターに4度選出されました。
スパーズ1年目の1982-83シーズン、ギルモアは平均18.0得点、12.0リバウンドをあげ、ジョージ・ガービンとともにチームをカンファレンス決勝に導きました。以降もスパーズの大黒柱として安定した成績を残し続け、1986年にはプロ通算11度目となるオールスター出場を果たしました。その後1987年にトレードで古巣シカゴ・ブルズに復帰し、シーズン途中でボストン・セルティックスに移籍しました。1987-88シーズン終了後、ギルモアはNBAを去ってイタリアのプロリーグに移り、1シーズンプレーした後現役を引退しました。
ABAとNBAを合算した成績は、1,329試合の出場で通算24,941得点、16,330リバウンド、3,178ブロック（平均18.8得点、12.3リバウンド、2.4ブロック）、フィールドゴール成功率.582でした。生涯通算20,000得点、15,000リバウンドを達成した選手はギルモアを含め史上6人しかいません。また、NBAで記録したフィールドゴール成功率.599は史上5位（引退選手の中では1位）の数字です。
2011年、ギルモアはバスケットボール殿堂入りを果たしました。
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