シドニー・ハーバート (初代ハーバート・オブ・リー男爵)

シドニー・ハーバート（初代ハーバート男爵）

シドニー・ハーバート、初代ハーバート男爵は1810年9月16日にイングランドのサリーにて誕生しました。彼は第11代ペンブルック伯爵の四男として生まれ、母はロシア貴族の出身であるキャサリン・ヴォロントソフです。ハーバートはハーロー校を経てオックスフォード大学オリオル・カレッジに進学し、教育を受けました。

政治経歴

1832年から1861年の間、ハーバートは南ウィルトシャー選挙区から選出された庶民院議員として活動を開始します。彼は当初、保守党に所属し、第一次ピール内閣においてインド監督庁副長官を努め、その後、第二次ピール内閣では副海軍大臣、さらには戦時大臣へと昇進しました。特に、穀物法廃止の閣内論争においては、自由貿易を推進するピール首相を支持しました。

しかし、保守党内での分裂に伴い、彼は自由貿易派に属するピール派としての立場を固めていきます。1852年にはピール派とホイッグ党との連立政権であるアバディーン伯爵内閣に戦時大臣として入閣し、クリミア戦争が勃発しますが、彼自身は平和派に同調していたため、閣内での葛藤が続きました。結果的に、戦争には参戦することになりました。

1855年1月、クリミア戦争の泥沼化を受けて調査委員会設置の動議が決議され、アバディーン内閣は退陣し、ホイッグ党の第一次パーマストン子爵内閣が成立します。ハーバートはこの新内閣で植民地大臣に就任しましたが、調査委員会設置に応じる姿勢が見えたため、他のピール派閣僚たちと共にすぐに辞任しました。しかし、その後の政治においても彼の影響力は失われず、1859年には自由党としての新たな政権で陸軍大臣に就任します。

健康と晩年

陸軍大臣として、彼は中国との戦争に関与しましたが、1860年以降、糖尿病や腎臓病などの健康問題に悩まされることになります。こうした健康上の理由から、彼は1861年1月1日にリーのハーバート男爵に叙され貴族院に移籍し、庶民院から離れることとなります。最終的には同年7月22日に陸軍大臣を辞任し、8月2日にウィルトン・ハウスにて生涯を閉じました。

家族

ハーバートは1846年にエリザベス・コート・レピントンと結婚し、3人の子供をもうけました。

• - 第1子（長男）ジョージ・ロバート・チャールズ・ハーバート（後の第13代ペンブルック伯爵）
• - 第2子（次男）シドニー・ハーバート（後の第14代ペンブルック伯爵）
• - 第3子（長女）グウラディス・ハーバート（後の第2代リポン侯爵夫人）

彼の長男ジョージは、リーのハーバート男爵位を継承し、さらに1862年には彼の兄ロバートが死去するとペンブルック伯爵位も引き継いでいます。

結論

シドニー・ハーバートは英国政治の激動の時代を生き抜き、その中で多くの役割を果たしました。家族や政治的なつながりを通じて、彼の影響は後世にまで及んでいます。

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