シバナ科

シバナ科 (シバナか) について

シバナ科（学名：Juncaginaceae）は、単子葉植物の一群で、主に湿地を生息環境とする多年草です。この科の植物は、温帯から寒帯までの両半球に広く分布しており、淡水や海水などさまざまな水域に適応した種が見られます。

1. 植物の特徴

シバナ科の植物は、主に両性花を持つ風媒花で構成されており、その花の構造は花被と雄蕊がそれぞれ6個、雌蕊が1個という形をしています。これらは通常、総状または穂状の花序として形成されます。日本国内では、例としてシバナ（塩場菜、Triglochin asiatica）やホソバノシバナ（Triglochin palustre）が存在し、これらはそれぞれ九州以北の海岸湿地や北日本の淡水湿地に自生しています。

2. 分類と属

シバナ科は、主に3つの属からなり、30種以上の植物で構成されています。これらの属には次のようなものが含まれています。

• - Tetroncium：この属は南米南部からフォークランド諸島及びゴフ島にかけて分布しています。
• - Cycnogeton：オーストララシアの淡水域で見られる属で、根が塊根状に進化しています。染色体数は8の倍数です。
• - Triglochin（シバナ属）：この属は全世界に分布し、その中にはLilaea属も含まれています。根は球根状で、染色体数は6の倍数です。

かつてはMaundia属もシバナ科に属していましたが、現在では独自の単型科としてMaundiaceaeに分類されています。

3. 生態的・形態的特徴

シバナ科の植物は、これまでホロムイソウ科（Scheuchzeriaceae）に分類されていましたが、現在ではその特性から別の科として認識されています。湿地や塩分のある場所に生育することが多く、環境に応じて多様な形態や生態を持っています。

例えば、シバナは主に海岸の塩分を含む湿地に適応し、特有の生態系を形成しています。一方、ホソバノシバナは淡水環境に特化し、高湿度の地域に見られます。これらの種は、湿地の生態系において重要な役割を果たしており、他の植物や動物の生存にも寄与しています。

4. 参考資料

さらなる詳細については、Juncaginaceaeに関連する外部リンクを参考にすることができます。

• - Juncaginaceae in L. Watson and M.J. Dallwitz (1992 onwards)
• - Alismatales (Angiosperm phylogeny website)

シバナ科は、湿地における生物多様性の一端を担う重要な植物群であり、その特徴や生態の理解が環境保全においても大切な要素となっています。

もう一度検索