シビウ

シビウの紹介

シビウ（Sibiu）は、ルーマニアのトランシルヴァニア地方に位置する都市で、南部にあたる。過去の歴史や文化的背景から、シビウは特にドイツ系の影響が強く残る地域である。シビウ県の県都として、現在の人口は約170,000人で、2002年の情報によると、その民族構成はルーマニア人が95%、ハンガリー人が2%、ドイツ人が1.6%を占めている。大半はルーマニア正教会の信者で、4%はカトリックやプロテスタントに属している。

歴史

シビウは1190年にドイツ人の入植者によって設立され、その前にはローマ人による街カエドニアが存在していた。1241年、モンゴル帝国軍とのワールシュタットの戦いの後、この地域は一時的に混乱に見舞われたが、14世紀には商業の中心地として繁栄し、シビウは重要な都市へと成長した。1376年には、19のギルドに分かれた職人たちの記録が残っており、その歴史的背景を物語っている。17世紀には、シビウがトランシルヴァニア公国の首都であった時期もあり、地域の政治的・文化的中心としての地位を確立した。

オーストリア帝国がルーマニア正教会を認可した1860年以降、ルーマニア人の影響が台頭してきた。第一次世界大戦後、オーストリア＝ハンガリー帝国が解体し、シビウはルーマニア王国に併合される。ドイツ人コミュニティは1950年代以降、ドイツへ移住が進み、現在では市内に約2,000人ほどが残る。シビウの市長として2014年までの間、クラウス・ヨハニスが市を代表していたが、彼はその後ルーマニアの大統領としての職務を担うこととなった。2007年には、欧州文化首都にも選ばれた。

観光名所

シビウには多くの観光名所が存在し、訪れる人々を魅了している。まず、大広場（Piaţa Mare）は、シビウの中心的な広場であり、長さ142メートル、幅93メートルの広さを誇る。この広場は中世からの歴史を持ち、周囲には15世紀から19世紀に建てられた美しい建築物が立ち並んでいる。市役所やブルケンタール邸もこの広場の近くに位置し、観光客にとって見逃せないスポットだ。

小広場（Piaţa Mică）は、大広場の隣にあり、特に1859年に建設された「うそつき橋」と呼ばれる鉄の橋が特徴的だ。この橋には、「橋の上で嘘をつくと壊れる」という言い伝えがある。

市参事塔は、時計塔として地元でも格式のある建造物で、旧市街全体を一望できる絶好の観覧スポットでもある。

文化的な側面では、ブルケンタール国立博物館が注目される。これはバロック様式の建物の中に美術館や歴史博物館などが併設されており、多様な文化的資源が集まっている。また、ASTRA国立総合博物館は、日本で言う野外博物館にあたる伝統民俗文明博物館が含まれており、シビウの文化と歴史を深く学ぶ機会を提供している。

スポーツと国際的なつながり

シビウにはFCヘルマンシュタットというサッカークラブも存在し、地域のスポーツ活動の重要な一翼を担っている。また、シビウは多くの国と姉妹都市協定を結んでおり、国際的な交流を促進している。例えば、ブラジルのバウルやアメリカのコロンビア、オーストリアのクラーゲンフルトなど、様々な国との友好関係が築かれている。

多様な歴史と文化を持つシビウは、訪れる価値のある都市であり、多様な顔を持つ魅力的な場所である。

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