シホテアリニ隕石落下

シホテアリニ隕石落下事件：1947年の大爆発

1947年2月12日、ロシア極東のシホテアリニ山脈に巨大な隕石が落下しました。この事件は、その規模と目撃者の数から、20世紀における最も重要な隕石落下事件の一つとして知られています。

事件の概要

午前10時30分頃、ウラジオストクの北東440キロメートル地点で、太陽よりも明るい火球が観測されました。この火球は、上空で爆発し、巨大な衝撃波と閃光を周囲に広げました。爆発音は半径300キロメートルに渡って聞こえ、長さ30キロメートルにも及ぶ隕石雲が数時間に渡って空に残りました。

爆発の中心地はシホテアリニ山脈のルチェゴルスク近郊のパセカ村付近で、1.3平方キロメートルの範囲に無数の隕石が落下しました。最大のクレーターは直径26メートル、深さ6メートルに及びました。

隕石の軌道と性質

ソ連科学アカデミーによる調査で、この隕石は小惑星であることが判明しました。秒速14キロメートルという猛スピードで大気圏に突入し、高度約5.6キロメートルで空中爆発を起こして無数の破片となって地上に落下しました。

隕石の大きさは推定90トンから100トンに達し、その多くは空中で溶解・蒸発しましたが、地上には300キログラムを超える最大の破片を含む無数の隕石が発見されました。最大の破片は現在、モスクワの博物館に展示されています。

隕石の種類と成分

落下した隕石は主に2種類に分類されます。一つは、大気圏突入時の摩擦熱で表面が溶解した隕鉄で、表面に特徴的な凹凸が見られます。もう一つは、空中爆発や地上衝突で砕けた破片で、より多くの個体が発見されました。

シホテアリニ隕石は、主に鉄とニッケルの合金である隕鉄（オクタヘドライト）で構成されています。成分の大部分は鉄（93％以上）で、ニッケル、コバルト、リン、硫黄なども含まれています。また、テーナイト、プレッサイト、カマサイトなどの鉱物も確認されています。

歴史的意義

シホテアリニ隕石落下事件は、その規模と詳細な観測記録から、隕石研究において非常に重要な資料を提供しました。多くの隕石サンプルが回収され、その分析結果から小惑星の組成や大気圏突入時の現象に関する貴重な知見が得られました。この事件は、地球近傍小惑星の脅威を改めて認識させる契機となり、現在も地球防衛のための研究開発に役立っています。

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シホテアリニ隕石落下事件は、自然の驚異と宇宙の神秘を改めて私たちに示す、重要な出来事でした。今後も、この事件の研究は続けられ、宇宙に関する理解を深める上で大きな役割を果たしていくでしょう。

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