シボラ

シボラの伝説

シボラ（Cíbola）は、黄金に輝く七つの都市として知られる伝説から発展した話で、タバックにエル・ドラードと並び、16世紀にスペインのコンキスタドールやフランスの探検家によって新大陸に実在するものと信じられていました。この神秘的な都市の場所は、現在のアメリカ合衆国南西部、美しい景観の中で探求が続けられました。

伝説の起源

シボラの伝説は、1150年頃に遡ります。当時、ムーア人によってスペインのメリダが征服されると、逃げた7人の西ゴート族の司教たちが大西洋を越え「アンティリア」という名の島に辿り着き、そこに「七つの聖なる都」を築いたという話が生まれました。この物語は時間と共に変化し、アステカ人の神話とも結びつくことでシボラの伝説が形成されました。

黄金の都市の探索

1528年、メキシコのヌエバ・エスパーニャに戻ってきたパンフィロ・デ・ナルバエスの漂流者たちが、裕福な町の存在を先住民から聞いたことをきっかけに、この伝説はさらに広まりました。この話を元に、副王アントニオ・デ・メンドーサがフランシスコ会の修道士マルコス・デ・ニサを隊長とする探検隊を組織しました。エステバニコというガイドと共に、デ・ニサは繁栄する都市を探し続けましたが、探検の途中で運命に見舞われることとなります。

エステバニコはズニの集落に辿り着き、そこで命を落としました。それ以降、デ・ニサはメキシコシティに戻り、金銀の皿や宝石が溢れる町の存在を語り、探検への期待を高めました。

第二次探検

デ・ニサの報告を受けた副王は、再度の探検を命じ、フランシスコ・バスケス・デ・コロナドが指揮を執ることになりました。1540年、コロナドは探検隊を率いて出発しましたが、到着した地では、思っていたほどの財宝は見つかりませんでした。実際には、マルコス・デ・ニサの記述とは異なり、海は見えず、金銀が輝く場所は存在しないことが判明します。その後、コロナドは新たに「キビラ」という黄金郷の噂を耳にしますが、それもまた他の探検と同様に実現しませんでした。

現在のシボラ

シボラと関係のある場所として、シボラ国有林やアリゾナ州の集落、ニューメキシコ州のシボラ郡などが名前を冠していますが、伝説の都市がどこにあったのかは依然として謎のままです。この黄金の七都市の探求は、歴史の様々な時代に影響を与え、多くの探検を生む原動力となったことがわかります。

さらに、シボラの物語は、新大陸探検の結果として伝説や実態が交錯する興味深い事例を示すものであり、過去の探検家たちの夢や冒険心を今なお語り続けています。

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