シムーン (曲)

シムーン (Simoon)

シムーンは、1978年にリリースされたイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）のデビューアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』に収録されている楽曲です。このトラックは、作詞をクリス・モスデル、作曲を細野晴臣が担当しました。曲名の「シムーン」は、砂漠で発生する熱風や砂嵐を指しており、その映像が音楽に色濃く反映されています。

制作背景

細野晴臣は、この楽曲の制作にあたって、映画『スター・ウォーズ』に登場するC-3POとR2-D2が砂漠を歩くシーンをコンセプトにしました。このイメージを基にして、彼はクリス・モスデルに「アラビアテイストの曲を作るので、それにぴったりの歌詞をお願いしたい」といった趣旨の説明を行い、全体の方向性が決まりました。

楽器の使用は非常に多様で、ベースと風の音はARP Odyssey、メロディラインはKORG PS-3100、ドラムはMinimoog、パーカッションにはMOOG III-Cが使用されました。また、ヴォーカルには橋本俊一の生の歌声が重ねられ、KORG VC-10を通した声も効果的に使われています。シーケンサーのタイミングは意図的にずらされ、独特なリズム感が創出されています。さらに、アドリブのメロディは坂本龍一によるピアノソロが手がけており、ジャズ風のフレーズが曲に華やかさを引き立てています。

YMOの結成時ということもあり、メンバーたちの高い技術が融合していることが特筆されます。細野は（坂本が）持ち込んだ素晴らしいフレーズについて称賛し、「彼は何でもできる人だ」と評価しています。

アルバム収録とカバー

『シムーン』はオリジナルアルバム『イエロー・マジック・オーケストラ』以外にも、いくつかのコンピレーションにも収められています。具体的には、US版の『イエロー・マジック・オーケストラ』(1979年)、『シールド』(1984年)、『テクノ・バイブル』(1992年)、『YMO GO HOME!』(1999年)、『NEUE TANZ』(2018年)などに収録されています。

また、この曲は他のアーティストによってもカバーされています。たとえば、ロジック・システムのアルバム『東方快車 〜Orient Express〜』(1982年)や、東京スカパラダイスオーケストラによる『トーキョー・ストラット』(1996年)は、シムーンの新しい解釈を提供しています。

『シムーン』は、その革新的な音楽性とメンバーの個々の才能が融合した作品として、今も多くのリスナーに愛され続けています。

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