NEUE TANZ

『NEUE TANZ』について

『NEUE TANZ』（ノイエ・タンツ）は、イエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の特別なコンピレーション・アルバムで、2018年10月17日にソニー・ミュージックダイレクトからリリースされました。このアルバムはYMOが結成されてから40周年を記念して企画されており、音楽シーンにおけるYMOの影響力やその重要性を再確認させる機会となっています。

制作の背景

このプロジェクトの監修はテイ・トウワが担当し、選曲に関しても彼が中心となって進められました。さらに、砂原良徳がリマスタリングを行っています。興味深いのは、テイがニューヨークのレコードショップで、若い世代がYMOのレコードを探している様子を見たことに触発された点です。そのため、若者向けに「YMOの新譜」を制作しようというアイデアが生まれました。この提案はメンバー全員の賛同を得て、実現へと進展しました。また、選曲にはノンクレジットで五木田智央や石野卓球も関与しており、YMOの音楽に対する深い愛情が伝わってきます。

アルバムの構成

アルバムにはYMOのオリジナル曲のほか、各メンバーのソロ曲が一曲ずつ収録されていますが、特に注目すべきは『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』からの楽曲が一切選出されていない点です。この選択は意図的であり、YMOの多様な音楽スタイルを強調するような形を取っています。

アートワークは五木田智央が手がけており、ジャケットデザインには鋤田正義が撮影した『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』の未使用テイクが加工されています。これにより、視覚的にも聴覚的にも一体感のある作品となっています。

チャートの成績

リリース後、このアルバムはオリコン週間アルバムランキングで初週8位を獲得。このランキング入りはYMO名義では1999年発売の『YMO GO HOME!』以来、なんと19年ぶりのことであり、音楽ファンにとっても大きなニュースとなりました。

収録曲

収録されている楽曲は以下の通りです：

• - 開け心―磁性紀―（Stereo Ver.）

作詞：細野晴臣、作曲：坂本龍一、高橋幸宏
フジカセット・カセットブック『テクノポリス』より、ほんの少し異なるバージョン。

• - バレエ - BALLET

作詞：高橋幸宏、ピーター・バラカン、作曲：高橋幸宏
アルバム『BGM』からの楽曲。

• - ライオット・イン・ラゴス - RIOT IN LAGOS

作曲：坂本龍一
ソロアルバム『B-2 UNIT』からの収録。

• - ザ・マッドメン - THE MADMEN

作詞：細野晴臣、ピーター・バラカン、作曲：細野晴臣
アルバム『サーヴィス』に収録。

• - ガラス - GLASS

作詞：ピーター・バラカン、高橋幸宏、作曲：高橋幸宏
高橋のソロアルバムからの選曲。

他にもアートワークやジャケットから受け取る視覚的なインパクトは、このアルバムの魅力の一部です。

最後に

残念ながら、このアルバムは2023年に高橋幸宏が、続いて坂本龍一が亡くなったことで、YMOのメンバー全員が存命でリリースされた最後の作品となりました。このことからも、YMOの歴史とその影響は永く人々の記憶に残ることとなるでしょう。彼らの音楽が持つ力と、時代を超えるメロディがもたらす感動は、これからも多くのファンに愛され続けるはずです。

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