シャウムブルク＝リッペ州

シャウムブルク＝リッペ自由州：短い歴史と終焉

シャウムブルク＝リッペ自由州（Freistaat Schaumburg-Lippe）は、1918年から1946年まで存在したドイツの自由州です。前身はシャウムブルク＝リッペ侯国であり、ドイツ革命によって侯国が解体されたことで成立しました。ヴァイマル共和政の下、議会制民主主義を採用しましたが、第二次世界大戦後、ニーダーザクセン州に統合され、その短い歴史を終えました。

歴史

前史

シャウムブルク＝リッペの起源は、17世紀にまで遡ります。1647年、シャウムブルク郡が分割され、その一部がシャウムブルク＝リッペ伯領となりました。しかし、領土は狭く、財政基盤も脆弱でした。ヘッセン＝カッセル方伯による併合の脅威に晒されながらも、ヴィルヘルム伯は国防に力を注ぎましたが、それが国の債務を増大させる要因となりました。

ゲオルク・ヴィルヘルム伯の時代には、ナポレオンの勢力下に入り、ライン同盟に加盟。1807年には侯国に昇格し、ドイツ連邦、北ドイツ連邦、そしてドイツ帝国へと組み込まれていきました。第一次世界大戦後、ドイツ革命の波に乗り、1918年11月15日にアドルフ2世侯が廃位され、自由州へと移行しました。

第一次世界大戦後

ヴァイマル共和政下では、ドイツ社会民主党が州議会で第一党となり、ドイツ民主党との連立政権を樹立しました。プロイセン自由州との合併が模索されましたが、住民投票や州議会での賛成を得られず、実現には至りませんでした。自由州は、ビュッケブルク郡とシュタットハーゲン郡、そして両郡から独立した都市ビュッケブルクとシュタットハーゲンによって構成されていました。

第二次世界大戦後

第二次世界大戦後、イギリス軍政下で一時的にシャウムブルク＝リッペ共和国となりましたが、1946年11月23日、周辺の州と統合され、ニーダーザクセン州の一部となりました。1975年には、旧侯国の復活を求める住民投票が行われましたが、連邦議会に拒否されました。

国家機関

1922年に制定された州憲法に基づき、立法権は州議会にありました。州議会は比例代表制で選出された15名の議員で構成され、行政権は州議会が選出した州政府が担いました。州政府は5名で構成され、常勤議長が率いる体制でした。司法は、ビュッケブルクとシュタットハーゲンに区裁判所、ビュッケブルクにラント裁判所が設置され、上級裁判所はプロイセンのツェレに置かれていました。

政府

自由州時代には、様々な政党の代表が州政府の長を務めました。初期には無所属の人物が議長を務め、その後、社会民主党、ナチ党の人物がその地位を占めました。第二次世界大戦後には、再び無所属の人物が議長となり、その後イギリス軍政府によって首相が任命されました。

人口と宗教

面積340.2平方キロメートルと小さな州であり、1930年代には5万人程度の人口を抱えていました。住民の大多数はプロテスタントであり、特に福音派ルーテル教会に属していました。カトリックやユダヤ教徒はごく少数でした。シャウムブルク＝リッペ侯家が改革派教会の信徒であったことが、住民の宗教構成に影響を与えたと考えられます。

今日でも、この地域の教会は裕福であり、その歴史的背景を物語っています。

シャウムブルク＝リッペ自由州は、その短い存在期間において、様々な政治体制の変化を経験しました。その歴史は、ドイツの激動の時代を反映しており、地方史研究においても重要な位置を占めています。

もう一度検索