シャカル・ケーダーの戦い

シャカル・ケーダーの戦い

1724年10月11日、インドのシャカル・ケーダーにおいて、歴史的な激闘が繰り広げられました。この戦いは、ムガル帝国の宰相でありデカン総督のカマルッディーン・ハーンと、彼の後任であるムバーリズ・ハーンとの間で発生しました。この戦いは、ムガル帝国の権力が揺らぎ、カマルッディーン・ハーンが新たな王国の基盤を築く重要な契機となりました。

戦闘背景

戦闘の始まりは、1722年2月8日に遡ります。ムガル帝国のトルコ系貴族でデカン総督のカマルッディーン・ハーンは、米国皇帝ムハンマド・シャー・ランギーラーによって宰相に任命されました。彼は改革を試みたものの、皇帝やその側近の腐敗と権力闘争に失望し、次第に帝国から距離を置くようになりました。1723年12月23日、彼はデリーを後にし、自らの領土で独立した国家を樹立することを目指して南方へ進みました。

この動きに対抗すべく、ムバーリズ・ハーンがデカン総督としてカマルッディーン・ハーンの動きを阻止するために軍を編成しました。彼はハイダラーバードから出発し、カマルッディーン・ハーンを迎え撃つ準備を整えました。

戦闘の展開

カマルッディーン・ハーンは、南下する途中で権力争いに関わる州太守たちの軍を次々と打破し、勢いを増していました。しかし、ムバーリズ・ハーンはその進軍を食い止めようとし、両軍は数度にわたり交戦しました。最終的に、1724年10月11日、アウランガーバードから80マイルほどの距離にあるシャカル・ケーダーで両軍が激突しました。

この戦いでは、カマルッディーン・ハーンが巧妙な戦術を駆使し、ムガル帝国軍を壊滅的なまでに打ち破ることに成功しました。この結果、彼はムバーリズ・ハーンを討ち取り、決定的な勝利を収めました。これにより、カマルッディーン・ハーンは実質上の独立を達成し、彼を元にしたニザーム王国が成立することとなります。

戦闘後の状況

戦後、カマルッディーン・ハーンはさらに南へ進軍し、同年11月にはハイダラーバードに到着、地域の支配を強化しました。1725年6月25日には、皇帝ムハンマド・シャーがカマルッディーン・ハーンの独立を正式に認め、彼をデカン6州を統括する総督に任命し、「アーサフ・ジャー」の称号を授与しました。これにより、帝国はデカン地域の実質的な支配を彼に委譲しました。

ただし、デカン6州の権利は1718年7月にマラーター王国に対しても認められていたため、ニザーム王国とマラーター王国の間で激しい権力争いが続くことになります。

このように、シャカル・ケーダーの戦いは単なる軍事的衝突に留まらず、その後のインド南部の権力構図に大きな影響を与えた重要な出来事となったのです。

もう一度検索