シャシャンボ

シャシャンボ（南燭・小小坊）

シャシャンボ（学名: Vaccinium bracteatum）は、ツツジ科スノキ属に分類される常緑性の小高木です。別名として、ナガバシャシャンボ、シャセンボとも呼ばれています。

名称の由来

漢字では「小小坊」と表記されますが、これは当て字であり、実際の語源は古語の「サシブ（烏草樹）」が訛ったものとされています。

分布と生育環境

シャシャンボは、日本の関東地方南部から石川県以西の本州、四国、九州、沖縄、さらに朝鮮半島南部、中国、台湾にかけて広く分布しています。暖地の海沿いを好み、やや乾燥した場所によく見られます。また、その美しい姿から庭木としても植えられています。佐世保という地名の由来になったという説もあります。

形態の特徴

シャシャンボは、常緑広葉樹の低木または小高木であり、日本のスノキ属の植物の中では比較的大きくなるのが特徴です。若い枝には細かい毛がありますが、成長すると無毛になり、白っぽくなります。葉は長さ2.5〜6cm程度の楕円形で、革のような質感で、表面には光沢があります。葉脈はややへこんでおり、表面に網目状の溝が見られます。葉の裏側には主脈上に小さな突起があり、葉の縁には細かい鋸歯があります。

花と果実

花期は7月頃で、白色の鐘形の花が鈴なりに咲きます。花序は総状で、前年の枝の葉腋からやや横向きに伸びて、多数の小さな葉が付きます。果実は直径約5mmの球形の液果で、熟すと黒紫色になり、表面に白い粉を吹きます。この果実は食用可能で、同属のブルーベリー類と同様に、アントシアニンを豊富に含んでいます。

まとめ

シャシャンボは、その美しい姿と実の食用価値から、人々に親しまれてきた植物です。庭木として楽しむだけでなく、自然の中でその姿を探してみるのも良いでしょう。

脚注

参考文献

* 平野隆久監修、永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、89頁。ISBN 4-522-21557-6。

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